■間違いには×より☆
──夏休みが終わると、つい秋以降に期待してしまいます。
特に6年生の親御さんは夏休みの成果を、夏休み明けすぐの模試で期待してしまいがちです。でも周りの子どもたちも頑張っているので、全体のレベルが上がります。偏差値が変わっていないのであれば、力がついていると思ってください。夏休み明けの模試は、ほとんどの大手塾が上位層向けの問題となり、より勉強をしてきた上位層が平均点をつりあげます。そのため、下位層は力がついていても、かえって偏差値が下がることがあります。なので、点数や偏差値で一喜一憂する必要はありません。もし結果が悪かった場合は、お子さんにそう言ってフォローしてあげてください。ただし、はじめからお子さんにそのことを言うと、模試に対して及び腰になってしまうので、伝えるのはあくまで結果が悪かった時だけです。夏の成果が出てくるのは10月、11月の過去問を解く頃になります。
点数が悪かった場合や、解答を間違えたときに罪悪感をもたせない声かけはお子さんのメンタルにとても大切です。間違えた解答には×ではなく☆をつけてあげたり、どんなに点数が悪くても「字がきれいだね」「よく頑張ってテストを受けてきたね」とほめポイントを探したり、子どもの勉強意欲をなくさない声かけを親御さんたちのこの夏の課題にしてみてください。
(構成/AERA with Kids編集部・橋爪玲子)
※AERA 2021年7月19日号より抜粋
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