アジア人初のミシュラン三つ星 シェフ小林圭が“御殿場”を選んだ理由 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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アジア人初のミシュラン三つ星 シェフ小林圭が“御殿場”を選んだ理由

清野由美AERA

 33歳でパリの超一等地に自身の名を冠した店をオープン。その9年後に三つ星獲得と、スター街道を邁進し「完璧を体現するシェフ」と話題のシェフ、小林圭さんがAERAに登場。AERA 2021年2月15日号から。

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 2020年1月、オーナーシェフを務めるパリの「Restaurant KEI(レストラン・ケイ)」が、フランス版ミシュランガイドで三つ星に輝いた。厳格な審査で知られる同ガイド120年の歴史上、アジア人シェフの三つ星は初めて。そのニュースが伝えられるや、2時間で1500件もの予約希望メールや電話が世界中から殺到した。

 そのひと月半後にやってきたのが、新型コロナウイルス感染拡大によるパリの都市封鎖。半年間、華やぎの最中にあった店を閉めざるを得なかったが、「立ち止まって考えるいい機会になった」と振り返る。

 フランス料理界の巨匠、故アラン・シャペルのコックコート姿にあこがれて、15歳で料理の世界に入った。長野と東京で修業をし、21歳で渡仏。名だたる名店を渡り歩いた。「年功序列がなく、やればやるほど成果が返ってくる。自分の性に合っていた」と、言葉に意志がみなぎる。

 33歳でパリの超一等地に自身の名を冠した店をオープン。その9年後に三つ星獲得と、スター街道を邁進している。評論家からは「完璧を体現するシェフ」と評された。

 1月、静岡県御殿場市に和菓子店の虎屋と組んだ「メゾン・ケイ」を出店した。名実ともにブランドになったビジネスの第一歩と思いきや、5年前から地域活性の視点で取り組んできたものだという。

「ここでは富士山系のきれいな水と、森が生み出す土に触れながら、肩肘張らずにおいしいものを追求したい。パリも日本も、その場所を体現する店を作って、宝石のように磨いていきたいんです」

 ファッション好きで、撮影はお気に入りの私服で。「コックコートを着ると、戦闘モードになってしまう」と、周囲を笑わせたが、モニターが映し出す表情は、繊細で内省的。「完璧」の核があった。(ジャーナリスト・清野由美)

AERA 2021年2月15日号


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