占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
※写真はイメージ(gettyimages)
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

【絵でわかる】しいたけ.流“タイプ別トラブル回避法”

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Q:封建的な家庭に育ちました。母は専業主婦。父は思い通りにならないと怒鳴り、母へも横暴。自分は経済的に自立すると決め、仕事を続けてきました。定年まであと数年の今、これでよかったのかなと思います。もっと自分らしく、好きなことが仕事なら……。中学生は時に残酷で、女の先生の前では反抗的だったり、つらい思いをたくさんしてきました。(女性/中学校教諭/56歳/おとめ座)

A:世の中で大変な職業はいろいろありますが、中学校の先生はかなりハードなご職業だと思います。中学生って子どもから大人に変わるとき。かなり多感になるし、大人に対して戦いを挑んでくる時期だと思うんです。すごく意地悪なことを言ったり、大人を本気で凹ませにきたりしますから。それは大人になるための命がけの儀式のようなものだと僕なんかは感じます。

 本当にこれでよかったのか。このご相談に対する、一つのキーワードが「自分らしさ」だと思います。今の時代、自分らしくあることが声高に言われます。でも僕の勝手な考えでは、自分らしさって味で言うと甘さではない気がするんですね。「苦さ」「つらさ」「すっぱさ」だと思うんです。「これは私しかやる人間がいなかったからやってるんだよね」「やりたくてやってるわけじゃないんだけど、喜んでくれる人もいるし」。そんなふうに言える苦さやすっぱさを人生のどこかで背負ってきた人は、魅力的です。

 でもやっぱり背負いすぎるとつぶれていってしまう。これでよかったのかな、と思ったときに必要になるのが「自分に対する供養」です。例えば自分が毎朝通勤する道に、自分の後ろ姿を思い浮かべて、黙って手を合わせる。「よくやってくれたね」「ありがとう、お疲れ様でした」って自分に対して祈りを捧げる。すると苦みが和らいできます。

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しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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