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クリスマスは寄付の時期 「できる範囲で」「自分のために」が徹底しているアメリカの寄付活動

連載「帰国ママのバイリンガル子育て奮闘記」

大井美紗子AERA#AERAオンライン限定
クリスマスに向け、おもちゃの寄付を受け付ける箱。米海兵隊予備役が運営する寄付活動(写真/筆者提供)

クリスマスに向け、おもちゃの寄付を受け付ける箱。米海兵隊予備役が運営する寄付活動(写真/筆者提供)

 いよいよ今日から12月。年の瀬が迫ってきましたね。アメリカでは、クリスマスに向けて街の装いが華やかになる時期です。そして、一年でもっとも寄付活動がさかんになる時期でもあります。

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 アメリカ人は普段からよく寄付をします。2018年のインディアナ大学のデータによると、アメリカの一般家庭による年間寄付額は2千5百14ドル(約26万円)。一方、日本ファンドレイジング協会発行の「寄付白書2017」によると、日本人の寄付金額の平均値は27,013円。アメリカの一般人は日本人全体の10倍近くの金額を寄付していることになります。金額の多寡は重要ではないといえ、個人の寄付率がアメリカは60%、日本は23%というデータを見ると、やはりアメリカ人のほうが寄付に積極的だと言わざるを得ません。イギリスとアメリカの調査による世界寄付指数(2019年)を見ても、アメリカは世界128カ国中11位、日本は64位と、大差があります。

 アメリカの個人寄付活動が日本よりさかんな理由、それは寄付先の選択肢が多い、寄付の方法が単純明快、寄附金控除のための確定申告のハードルが低いといった構造的な要因もさることながら、一人ひとりの心持ちが大きく違うからだと、この地に暮らしていて思います。

 日本で寄付というと、私自身がそうだったのですが、「プラスアルファの行い」と捉える人が多いのではないでしょうか。善意、高い意識、時間、それに金銭的な余裕を持ち合わせている選ばれし人が、ふだんの支出にプラスして行う行為。一方アメリカでは、「一市民として当然の行為」だと捉えている人が多い印象です。

 私たち家族がアメリカに越したばかりのころ、とてもよくしてくださる初老の女性がいました。名前を仮にマリアンさんとしましょう。マリアンさんは、近くに知人も親戚もいない私たちのことを気にかけ、たまに自宅へ招いてくれました。私たちだけでなく、同じように引っ越してきたばかりの若いカップルや大学生なども招いて食事会を開催し、休みの日はボランティアや寄付活動に精を出していました。ただ、マリアンさんのお家は非常に居心地がよかったものの、立派な豪邸とはお世辞にも言えず、マリアンさんの身なりもごく普通で、毎回食事や寄付にお金をスパスパ配って回れるようにはとても見えませんでした。それにマリアンさんは70に手が届くかという高齢の独り暮らしで、正直もっと家でゆっくり過ごしていたほうがいいんじゃないかと余計な心配もしてしまいました。そこである日、私は聞いてみたのです。どうしてそこまで私たちの世話を焼いたり、ボランティアや寄付をしたりできるんですか、と。


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