佐藤:公明党のスタートということも考えてみると、創価学会の文化部から始まっているわけです。文化に政治を包み込んでいくという考え方が、創価学会員には濃厚なんでしょう。さまざまな文化があるということを認めて、多元性に立たないといけないから。ほかの宗教や文化を尊重できるっていうのは、自信があるからなんでしょうね。そういったものの影響を受けても、自分たちの信仰の本質が揺らぐことはないという自信。でも意外とそれ、知られてないところなんです。

澤田:創価学会関係の出版物がたくさんありますが、出版社を複数持っている宗教団体というのも珍しいです。「潮」と「第三文明」と……。

佐藤:僕は「第三文明」で松岡幹夫さんと対談をしています。大石寺(たいせきじ)のお坊さんだったんだけれども、創価学会との訣別があったときに、創価学会側についたお坊さんですね。彼には、なぜそういう人生を選択したのかとか、教義的なことを教えてもらったりしています。

澤田:学会員ではない佐藤さんが教義の解釈を話すということですね。

佐藤:あの人たちは全然そこのところは問題視しない。その意味では極めて寛容なんですよ。もっとも日本でも、キリスト教の教義について話す学者でキリスト教徒でない人もたくさんいますから。創価学会の人たちは、自分たちの解釈に自信を持っている。あと、私が悪意を持っていないということはわかっているわけですよね。

澤田:それは大きいでしょうね。

■コロナという難に直面 排外主義に歯止めかける

佐藤:だから、よく創価学会の婦人部の方たちに話しかけられるんですよ。佐藤優さんだね、いい本書いたらしいねって。あんた信頼してるからと。あと、今世はキリスト教でいいから、何回か輪廻転生を繰り返したら、うちのほうに来るだろうねと。そうすると逆に、横で聞いていた創価学会の幹部の人たちがあわてていました(笑)。

澤田:今世はキリスト教でいいからねって、明るい表現ですね。これは他宗教との優劣がないということでもありますよね。

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