「国民の批判能力が弱まった今、新政権にとっては好都合」 社会学者・西田亮介さんが警鐘鳴らす (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「国民の批判能力が弱まった今、新政権にとっては好都合」 社会学者・西田亮介さんが警鐘鳴らす

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西田亮介さん(37)/立命館大学准教授などを経て2015年から東京工業大学准教授。専門は公共政策の社会学。著書に『メディアと自民党』など。独自の視点でメディアやSNSを通じて情報発信する (c)朝日新聞社

西田亮介さん(37)/立命館大学准教授などを経て2015年から東京工業大学准教授。専門は公共政策の社会学。著書に『メディアと自民党』など。独自の視点でメディアやSNSを通じて情報発信する (c)朝日新聞社

 9月16日に誕生した「菅政権」。私たち国民は新政権とどう向き合えばいいのか。最も注視するべき点はどこなのか。著書に『メディアと自民党』などがある社会学者の西田亮介さんに話を聞いた。AERA 2020年9月28日号の記事を紹介する。

【図を見る】菅内閣は絶妙な派閥バランスをとる?

*  *  *
──今回の総裁選は一気に菅義偉氏支持の流れができて、国民の支持も集まったようです。

 勝ち馬に乗りたいというのはある意味、素朴な感情でもあるので理解できます。菅氏が安倍政権の方針を継続させる姿勢をみせ、手堅さの印象もあり、コロナ禍の国民感情とうまくマッチしたのではないでしょうか。

──安倍政権下では国民の分断も進みました。

 政権支持層と非支持層だけでなく、政治に関心がある層、ない層の分断も大きいと考えます。マイノリティーや非支持者も含めて融和や対話を進めていく姿勢は、安倍政権には皆目みられませんでした。街頭演説でヤジを飛ばした人に向けて安倍前総理が「こんな人たち」と叫んだのは象徴的です。

──菅氏は安倍路線を継承します。国民の政治への向き合い方が試されているかのようです。

 メディアの環境が変わっていくに伴い、国民のある種の感受性、政治への認識や知識は大きく変わったのではないでしょうか。人々が持っている具体的な政治の知識や向き合い方、批判能力みたいなものは今、弱まっていると考えられます。新聞が読まれなくなり、ネットやテレビだけで情報を入れるのであれば、深い知識は得られません。

──そういう層が厚くなれば、権力側にとっては都合が良い。

 国民感情の矛先は大変アドホック(場当たり的)なもので、政治に批判的な意識を急速に持つこともあれば、平時はそうでもない。そうしたとき、正確な知識自体が流通していないような社会というのは、政権にとって好ましい状態です。

■政治不信払拭は難しい

──菅政権が引き継ぐべきものと、そうでないものは。

 経済政策は引き継ごうとしているのでしょう。ただ、経済政策の内実は実はよく分からなくて、「3本の矢」に始まったアベノミクスは常に姿を変えています。今は「ソサエティー5.0」ですか。いずれにせよ生活中心の経済重視は重要です。


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