三浦:巨人って、いろんなものを象徴した存在のような気がするんです。巨人には、圧倒的な存在感と恐怖があるけど、それって、僕らの生きる日常にも言えることなのかなって。人には、何かしら逃げられないものがあると思うし。

水原:そう。みんな葛藤や抱えているものがあって、つらい思いをしている人や傷ついている人、孤独な思いをしている人がいると思います。だけど、何がそれを救うかというと、仲間であり、最終的には愛だと思うんです。ミカサも最後には、すべてを受け入れ聖母マリアのようになっていきます。

三浦:“壁”って、意外と僕たちの身近にも象徴的に存在する気がします。たとえば、学校や会社の中だけが世界のすべてで、そこで起こることがすべてだと思い込んでいる人もいるかもしれない。だけど、壁の内側にいると、わからなくなることもたくさんあると思うんですよ。僕は、この作品は大迫力の映像を楽しむとともに、自分にとっての壁は何なのか、その壁を壊す突破口は何なのかを考えるのもおもしろいと思う。そういう人たちに刺さるメッセージがあればうれしいです。(構成/編集部・野村昌二)

※AERA 2015年8月3日号掲載、肩書きや年齢は掲載当時のまま

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