暴言に脅迫、コロナ禍で攻撃性強める人々。背景にあるのは「不安な心」 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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暴言に脅迫、コロナ禍で攻撃性強める人々。背景にあるのは「不安な心」

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 4月中旬のある日、記者がコンビニでレジ待ちをしていると、高齢の男性が店員に対し、「コロナはお前らのせいだ」と吐き捨てるように言う姿が目に入った。男性は乱暴に釣り銭を受け取るとそのまま店を出て、車に乗り込んでいった。

「ちょう」という名札を付けたその店員に話を聞くと、2月以降何度も同じようなことがあったという。

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「お前らのせい、中国に帰れ、謝れなど、毎週のように言われます。“中国人か?”と確認してから言う人もいるし、名札の名字を見ただけで言ってくる人もいる。悲しいです」

 新型コロナウイルスの感染拡大以前から、「反中国」的な言動をする人はいた。だが現在、これまでこうした言動には縁がなかったように見えた人からも、攻撃的な発言が聞かれるようになっている。

 東京都の女性(37)は4月上旬、新型コロナウイルスについての学術的な内容をかみ砕いて紹介したアニメーションをFacebookにシェアした。ウイルスについて知ることで不安な気持ちが安らげば、という思いからだ。ところが、コメント欄を見て驚いた。

「中国人は世界に謝れ!」
「この映像は“武漢発”と明言していて素晴らしい(編注:実際には明言していない)。武漢ウイルスと呼ぶべきだ」

そんなコメントが並んでいた。女性は言う。

「差別的な意図などない動画なのに……。それも、普段攻撃的な発言を聞いたことのない知人からのコメントで驚きました」

 新型コロナウイルスの感染拡大とともに、差別や攻撃性が表出した事件が増えている。標的となるのは中国人、感染者やその関係者、果ては最前線で働く医療関係者らまで様々だ。

 3月末に学生の新型コロナウイルス感染、クラスターの発生が報じられた京都産業大学には、報道直後から6日間で数百件の抗議が寄せられた。

 ヨーロッパ旅行からの帰国後に大人数が集まる懇親会に出かけたり、他県の実家へ帰省するのは不用意だと非難したくなる気持ちはわからなくもない。だが中には、「大学に火をつける」「殺すぞ」などの脅迫まであったという。感染とは無関係の学生からも、「京都産業大学の学生であるというだけでアルバイトを辞めさせられた」といった相談が寄せられている。

 また三重県では、鈴木英敬知事が4月20日の会見で、感染者や家族の家に石が投げ込まれたり、壁に落書きをされたりするなどの被害があったことを明かした。


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