赤ちゃんにとっておやつは楽しい時間だが、食事を妨げてはいけない(写真/gettyimages)
赤ちゃんにとっておやつは楽しい時間だが、食事を妨げてはいけない(写真/gettyimages)

 1歳を過ぎると、3回の食事にプラスしておやつがスタートします。大人にとってのおやつは、甘みや塩っ気のあるお菓子がメインで「楽しみ」「リラックスタイム」「ストレス解消」といったイメージですが、赤ちゃんにとってのおやつは「楽しみ」だけではありません。一度にたくさんの量を食べることができない赤ちゃんにとっておやつは「4回目、5回目の食事」として位置付けられています。今回は、そんなおやつについて話します。

●市販のお菓子は、量と頻度を決める

 赤ちゃんにとっておやつは、3回の食事で取り切れなかった栄養を補給する役割があります。できることなら、おにぎり、いも類、果物などがおススメです。おにぎりはおかか和えやしらす。いもは、ゆでたり蒸したりしたシンプルなもので十分です。とはいえ、おにぎり、いも類は調理する時間も必要なので「毎日は少し大変」と感じるかもしれません。そんな時に便利なのが市販のお菓子です。市販のお菓子の利点は「袋を開けてすぐに与えることができる」こと。ただし、市販のお菓子には塩分、糖分、脂肪分、香辛料などが含まれているので、内臓が未発達な赤ちゃんには負担になります。市販品でおススメなのは、米菓子、パン、乳製品など。裏面表示を確認し「知らない食材名」が入っているお菓子は「赤ちゃんに与えなくてもいい」という判断基準になります。1歳過ぎたら赤ちゃん用のお菓子であれば少し与える程度ならOKですが、与える量と頻度のルールは親が決めます。

 よく「お菓子を欲しがって離乳食を食べない」という悩みがありますが、市販のおやつの味を知らなければ赤ちゃんは欲しがりません。市販のおやつを与えることでの「ラク」ももちろんあるのですが、与えないことでの「ラク」もあるのです。1歳の赤ちゃんに、市販のおやつは与えなくてもいい。与えるとしても「極たまに、極少量」が理想です。

●おやつを与えるタイミングと量

 赤ちゃんにおやつを与えるタイミングは、食事と食事の間が基本です。1日1~2回与えますが、1歳になってすぐに2回与え始めるのではなく、母乳や育児用ミルクを飲む様子を見つつ、まず1回からスタートさせ、母乳などの量が減ってきたら2回に進めていきます。2回与えるなら朝ごはんと昼ごはんの間に1回目。昼ごはんと夕ごはんの間に2回目を与えます。時間で言うと朝の10時と昼の15時頃が理想です。

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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赤ちゃんのおやつ、カロリーの目安は?