元社員の評価が高かったグーグルは、東京・渋谷にオフィスを移した。ほとんどの評価項目で高得点を叩き出していた(撮影/写真部・掛祥葉子)
元社員の評価が高かったグーグルは、東京・渋谷にオフィスを移した。ほとんどの評価項目で高得点を叩き出していた(撮影/写真部・掛祥葉子)

 アエラは口コミサイト「オープンワーク」の協力のもと、退職した元社員が選ぶ「辞めたけど良かった企業ランキング」を作成した。AERA2020年3月2日号は、新卒時の就職人気ランキングとの比較や口コミを分析。浮かび上がったのはコンサル人気だ(関連記事<グーグル、三菱商事、キーエンス…元社員「辞めたけど良かった企業」ランキング!>も参照)。

【元社員による「辞めたけど良かった企業」ランキングはこちら】

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 いわゆる就職人気ランキングとの比較もしてみよう。

 業界別の内訳ではメーカー・商社41社、金融15社、IT・通信・インターネット系12社、コンサルティング10社と、就職人気ランキングの傾向と似ているが、個別企業では就活生に人気のJTBグループや全日本空輸は入っておらず、金融の中ではメガバンクもランク外だ。

 そんな中、近年、高学歴の学生の間で人気が急上昇しているコンサルティング会社は、元社員からの評価も高い。企業数自体が他業界に比べて少ないことから考えても、存在感が際立っている。

 高評価の理由は何なのか。口コミの自由回答欄を見ると「一つのプロジェクト(3~6カ月)で、一般的な大企業の5、6年分に相当する学びがある。3年もやれば、他の様々な業種で、要求度も報酬も高い仕事をやれる自信と実力が身に付く」(在籍10~15年、男性、マッキンゼー)など、刺激的な仕事内容、圧倒的な成長スピードを挙げる声が多い。退職理由でも「いろいろなことができるようになってきて、今度は事業側で自分のスキルを活かしてみたかった」(在籍5~10年、男性、A.T.カーニー)などポジティブな内容が目立つ。

 実際、最近の転職市場でもコンサルは人気だ。若手ハイキャリア向け転職サイト「AMBI」営業責任者の峯崎直哉さんによれば、昨年はとりわけ20代でコンサルに転職する人が急増し、この世代のコンサル転職成功率は30代の4倍に達したという。

 その背景としては、人工知能(AI)など先端テクノロジーを導入したい企業からの案件増加によってコンサル業界自体が活況を呈し、求人が増えていることも大きいが、20代での転職で目立つのは、銀行や商社からの流入だ。

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