※イメージ写真(写真:Gettyimages)
※イメージ写真(写真:Gettyimages)

 サクサクのフレークにたっぷりのチョコ。あのお菓子が姿を消すことになった。マスコミ各社は「スマホとの相性が原因」と報じたが、それだけでもないようだ。

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 森永製菓が、チョコレート菓子「チョコフレーク」の生産を、来年の夏までに終了すると発表した。

 マスコミ各社は「手がべとついてスマートフォンを操作しながら食べにくいため、人気が落ち込んでいた」(朝日新聞)、「チョコが手につきスマートフォンを触りながら食べづらいなどの理由で、販売の減少が続いていた」(NHK)など、「スマホとの相性」が生産終了の原因と報じた。

 実際はどうなのか。森永製菓広報に取材すると「『ながら食べ』の概念が変わったのは事実。発売当初はテレビだったのが、今はスマホになった」としながらも、「それだけが理由ではない」という。もう一つの理由としてあげたのは、チョコレートの嗜好の変化だ。

「健康を意識したチョコレートが支持されるようになり、チョコレート菓子そのものが選択されにくくなりました」

 大手菓子メーカーが加盟する全日本菓子協会は「チョコレートの健康効果の浸透が進み、前年に引き続き高カカオチョコレートが好調に推移した」(平成29年度統計調査)と分析している。コンビニなどでも高級志向のチョコレートが幅を利かせるようになった。

 森永製菓と同じ「チョコフレーク」を販売する「日清シスコ」マーケティング部商品管理グループの風野亜希子さんによると、スマホの普及と商品の売り上げは全く関係がないとは言えないとしつつも、同社のチョコフレークの売り上げは5年前と比較し150%以上の急伸。ここ数年は2桁成長で好調に推移していると話す。

「スマホをいじりながら、お菓子を食べるシーンは、多くの食シーンの一つです。お客様のニーズはおいしさや、利便性、安全安心、健康機能など、時代と共に多様になりつつあります。スマホの影響は無いわけではありませんが、特段大きな問題であるとは考えていません」

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「手が汚れないお菓子」として度々紹介されるのが…