「お姉さんはええカッコしい!」 阿佐ヶ谷姉妹、エッセー執筆で見えた互いの一面 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「お姉さんはええカッコしい!」 阿佐ヶ谷姉妹、エッセー執筆で見えた互いの一面

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阿佐ヶ谷姉妹(あさがやしまい)/実の姉妹ではないが、顔が似ているということでコンビを結成した、歌って踊れる2人組。渡辺江里子(姉・写真下)1972年、栃木県生まれ。木村美穂(妹・写真上)1973年、神奈川県生まれ(撮影/写真部・大野洋介)

阿佐ヶ谷姉妹(あさがやしまい)/実の姉妹ではないが、顔が似ているということでコンビを結成した、歌って踊れる2人組。渡辺江里子(姉・写真下)1972年、栃木県生まれ。木村美穂(妹・写真上)1973年、神奈川県生まれ(撮影/写真部・大野洋介)

『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』は、お笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹が東京・阿佐谷でおくる日常を描いた、同居生活エッセーだ。姉妹2人に、同著に込めた思いを聞く。

*  *  *
 ピンクのドレスに、朗らかな歌声。老若男女に人気がある阿佐ヶ谷姉妹のおしゃべりが聞こえてくるような、楽しい一冊が刊行された。

 出版社のウェブサイトにリレー形式で連載したエッセー「阿佐ヶ谷ふたり暮らし」「妙齢事情」「引っ越し騒動」の3章に、書き下ろし恋愛小説まで入った豪華版だ。

──原稿は携帯電話に打ちこんで書いていらしたとか。

姉・エリコさん:真っ白いノートに向かうと緊張してしまうので、ネタを書くときもそうですが、携帯電話に打っているんです。

妹・みほさん:携帯電話は、寝転がりながらでも、リラックスして書けるのがいいんですよね。

──みほさんの小説「3月のハシビロコウ」のゼリーの描写が素敵でした。

妹:ゼリーが大好きなので、妄想で書きました(笑)。

──執筆は大変でしたか?

姉:みほさんは自由に書いていましたが、私はいろいろなことが気になってしまって。行き詰まって、編集の方にご迷惑をかけたことも……。

妹:それはお姉さんがええカッコしいだからよ。人からどう見られているのか、すごく気にしているんだもの。

姉:あら! だって阿佐谷のことを書く場合はとくに、町の方が読んだらどう思うか、気になるじゃない?

妹:お姉さんは人からよく思われたいという気持ちがあるのよね。考えすぎるから、書けなくなっちゃうのよ。

姉:みほさんがそんなふうに思っていたなんて……。

──書いて、言葉にすることで発見はありましたか。

姉:お互いにモヤモヤしていたけれど、確認してこなかったことがわかって、共同生活がより前向きになったと思います。たとえば私は料理を必ず2人分、よそって運びます。でも、みほさんは違う!

妹:その日の気分で、自分の分だけよそうこともあります。だって、どれくらい食べるのか、自分で調整したいときもあるじゃないですか。

姉:みほさんはマイペースというか、個人主義というか、自由なんですよ。

妹:そんなつもりはないんですけれど。私も日常でお姉さんに対して漠然と不思議だな、と思っていたことが、書くために観察していて、客観的に理解できるようになりました。

──共同生活のコツは?

姉:生活するうえで、得意不得意がありますから、提案し合って、補完し合うことでしょうか。ときどき話し合うけど、最後はあきらめます(笑)。

(構成/ライター・矢内裕子)

■書店員さんオススメの一冊

『ふたりぐらし』は、直木賞作家である桜木紫乃さんの新刊だ。三省堂書店の新井見枝香さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

*  *  *
 映写技師で収入の安定しない信好と、看護師として働く紗弓の幸せは、ささやかな食卓であり、映画のDVDを一緒に観ることだった。10編からなる物語は、それぞれの視点でほんの少しの窮屈さと別々の人間である遠さを感じる日々が丁寧につづられている。

 信好には、紗弓に言えないことがあった。年老いた母にウナギをおごってもらったこと。そしてまだ、夢をあきらめられないこと。紗弓にも、信好には知られたくない心の内がある。そんな時は、何も言わずに、後ろから夫を抱きしめた。結婚は、した時が「いちばんいい時」なのではなく、ふたりで幸せになっていくものだとしたら、なんて確実で安らかな関係なのだろう。

 自分の両親も、ああ見えて今がいちばん幸せなのかもしれない。まだ結婚をしていない私には、そう思えたことが最大の収穫だった。

AERA 2018年10月1日号


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