「移住が絶対条件ではない」地方創生を成功に導く“民間企業的マインド”の公務員 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「移住が絶対条件ではない」地方創生を成功に導く“民間企業的マインド”の公務員

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野村昌二,柳堀栄子AERA

岡山県西粟倉村役場の地方創生特任参事・上山隆浩さん(写真:西粟倉村提供)

岡山県西粟倉村役場の地方創生特任参事・上山隆浩さん(写真:西粟倉村提供)

ローカルベンチャースクールは、西粟倉村だけでなく他の10自治体と協力して行う(写真:西粟倉村提供)

ローカルベンチャースクールは、西粟倉村だけでなく他の10自治体と協力して行う(写真:西粟倉村提供)

 地方創生の成功の陰には、その「黒子」ともいえる公務員の姿がある。岡山県西粟倉村の場合は、民間企業的マインドの公務員がその立役者となっていた。

【ローカルベンチャースクールの様子はこちら】

「地域の経済が豊かになればいい。移住が絶対条件ではない」

 と言うのは、岡山県西粟倉村役場の地方創生特任参事・上山隆浩さん(58)だ。公務員には珍しい民間企業的なマインドの持ち主である。上山さんは、事業に携わっていたこともあり、町全体の仕組みを観光資源ととらえているという。

「毎年1800人くらいが視察に訪れ、村で宿泊してお土産も買う。村の新しい取り組み自体が観光資源として村を支えています」

「新しい取り組み」として有名なのは、起業家の人材育成を行う「ローカルベンチャースクール」である。

 都会から移住してきた人は、他にも多くの夢を抱いていた。その夢の支援ができないかと、事業がスタートした。希望者は、地域おこし協力隊としての3年間で自分のやりたい事業をブラッシュアップし、4年目に自分の事業として村で起業する。実際にスクールの運営をするのは、民間企業のエーゼロやNPO法人ETIC.だ。

 この事業を始めるきっかけとなったのは、「百年の森林(もり)創造」事業があったからだ。面積の80%を人工林が占める村は、森を管理する能力はあっても家具に加工したりという技術がなかった。その技術を持つ移住者を募集したのが始まりだ。

「事業を通じて、村では質の高い関係人口がつくれていると思う。起業した方がたとえ村を離れたとしても、その事業スキームが村に残れば、地域全体の経済の土壌が豊かになると考えています」

 これから先の10年をどう位置付けるのか。

「村の活動を、持続可能な開発のためのグローバル目標であるSDGs(持続可能な開発目標)に落とし込み、世界水準でこの村が何をしているかわかるようにしていきます」

(編集部・野村昌二、柳堀栄子)

AERA 2018年2月19日号より抜粋


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