西部:フランスのように喫茶店で政治についてワイワイ議論するのも一つの政治プロセスです。

村本:選挙の時期が来たら国民みんなが「よし来た!」ってなってほしい。ところがそれがなく、なんとなく投票して、自民党が大勝した後に、「あの財源はどうなったの?」「あの公約は結局ウソだったんだ」と気づく。まるでホストにだまされた女みたいに、票だけ貢がされて気持ち悪いんです。

西部:いまの小選挙区制が良いとも言えない。それではどういう選挙制度ならいいのか。理想は多段階小選挙区制です。最初に、顔見知りでお互いの人格もわかる100人の集団がその中から一人の代理人を決める。日本の有権者数だとこれでだいたい100万人の代理人が決まる。次にその代理人をいくつかに分けて、そこから更に代理人を選ぶ。その繰り返しで代議士を選んでいくのです。各段階で政策や人格を論じていくからものすごい手間ひまがかかるけど、今の選挙制度よりはるかに良い結果が出るでしょう。

(構成/ジャーナリスト・桐島瞬、編集協力/吉田愛一郎氏)

AERA 2017年12月18日号より抜粋