ミャンマー「平和の旗手」四面楚歌 ロヒンギャ迫害でスーチー氏に非難の声 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミャンマー「平和の旗手」四面楚歌 ロヒンギャ迫害でスーチー氏に非難の声

染田屋竜太AERA
ノーベル平和賞受賞の演説で訪れたオスロで歓迎を受けるスーチー氏 (c)朝日新聞社

ノーベル平和賞受賞の演説で訪れたオスロで歓迎を受けるスーチー氏 (c)朝日新聞社

 ロヒンギャ難民が増え続ける事態に、イスラム教徒が多数を占めるパキスタンやインドネシアではスーチー氏の責任を追及するデモが相次ぎ、中東のイスラム教団体は「(スーチー氏は)犯罪を承認している」と声を上げる。英BBCは「なぜスーチー氏は行動しないのか」と題した記事の中で、「彼女が主張してきた万人への人権に、ロヒンギャは含まれないのか」と疑問を投げかけた。

 スーチー氏は今月、メディアの質問に、「我々が直面する最も難しい問題で、(政権に就いて)18カ月で解決するのは無理だ」と漏らした。一昨年の総選挙で勝利し、昨年3月に政権を奪取したスーチー氏。だが、治安を統括する内務省や国防省は軍に実権を握られ、憲法上も手を出せない実態がある。

●守ると国民離れていく

 さらに、国内では「テロリストを掃討するのは当然だ」などと、ロヒンギャに同情的な意見はほぼ聞かれない。ミャンマーのイスラム教団体の関係者は、「ロヒンギャを守ると言えば、国民は離れていく」と漏らす。

 スーチー氏は昨年、ロヒンギャの問題に解決の道筋をつけようと、コフィ・アナン元国連事務総長らによる諮問委員会をつくった。だが、アナン氏が提言をまとめた報告書を発表した数時間後に起きた今回の襲撃事件が、解決をさらに困難にする。

 この問題に詳しい上智大学の根本敬教授は、「まずは避難民を救うために国際社会が協力すべきだ。スーチー氏批判だけで問題は解決しない」と訴えている。(朝日新聞ヤンゴン支局長・染田屋竜太)

AERA 2017年9月25日号


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