「最初は始まってすぐに、少量生産の店や人気店だけを5、6店まわる。2回目は食べきった1週間後くらいに、買いそびれた店に行く。3回目は感銘を受けて、もう一度食べたいところのチョコを買うね」
これ、すべて自分用とのこと。確かに男性がはまると、女性の比ではなさそうだ。
メーカーやデパートも注目する、こうした流れのなか、今年、買うべき「俺チョコ」には、どのようなものがあるのだろう。
●お酒が苦手なアナタも
世界中から人気ショコラティエが集うイベント「サロン・デュ・ショコラ」。その中から、「俺チョコ」としてのお薦めを、三越伊勢丹チョコレートバイヤーの秋山勇志さんに聞いてみた。
「東京のサロン・デュ・ショコラに初登場するスイスのショコラティエ、トーマス・ミュラーの新作はいかがでしょう。アルコール度数が高いことで知られるアブサンに柚子やジンジャーをあわせ、ガナッシュで包んだ、ドーム形のボンボンです」
アブサンといえば、その味わいと70度のアルコール度数から「魔性の酒」とも呼ばれるリキュールだ。そんなアブサンを使いながら、アルコールが苦手な人でも味わえるとは。さすがの巧みさだ。
「ワイン好きの男性に食べていただきたいのが、シャトー・ムートン・ロートシルトの赤ワインを使った、贅沢なボンボン。『パレ ド オール』の三枝俊介氏の逸品です」(秋山さん)
こちらは大きめの一粒が、箱に収まっている。銘酒を使っているだけに価格も高めだが、一度、ショコラの世界を試してみたいという人にはよさそうだ。
「ウイスキーなどに合わせていただきたいのが、ナオミ・ミズノの今年の新作、瓶入りショコラです。瓶入りなので、少しずつ楽しめます」(同)
●産地と原料を味わう
昨秋のサロン・デュ・ショコラ・パリのテーマは「バック・トゥ・ショコラ(チョコレートの原点であるカカオに戻ろう)」だった。良いカカオがなければ、良いショコラは作れない。カカオの大切さを忘れないようにしよう──という流れは、ここ数年、日本でも目にするようになっている。