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トランプの“全面戦争” 乱発する大統領令は米国版「逆コース」

津山恵子AERA#ドナルド・トランプ
人工妊娠中絶手術の自由を奪われるなど女性の権利の縮小を懸念したデモが、全米・世界各地で最大規模の反トランプデモに発展した (c)朝日新聞社

人工妊娠中絶手術の自由を奪われるなど女性の権利の縮小を懸念したデモが、全米・世界各地で最大規模の反トランプデモに発展した (c)朝日新聞社

 トランプ新大統領の政権が1月20日の就任式でスタートした。「アメリカ・ファースト」の方針のもと、国内優先と外国人・女性への規制など「逆行」が始まった。

「世界各国は、長いこと、アメリカをうまいこと利用し続けてきた。今後は、そんなことは起こらない」「よそから来た石油パイプラインは、それっぽく見えるようにできている。国内で作れば本物で、しかも安くできる」

 1月26日、フィラデルフィアで行った演説でトランプ大統領は豪語した。

 彼の就任で、自由と平等の国、グローバリズムの旗手である米国は、「逆行」の道筋をたどっていくのかもしれない。

●メディアと全面対決

 調査会社ユーラシア・グループ社長で政治学者のイアン・ブレマー氏は、トランプ政権の発足は、「パックス・アメリカーナの終焉」を意味すると予想。米国主導で、世界平和と調和が維持されてきた時代が終わるという。ブレマー氏はまた、年初に発表する「世界の10大リスク」のトップに「独立した米国」を挙げ、トランプ大統領のもと、米国が世界で起きている問題に対し、リーダーシップを取らなくなる可能性も指摘した。

 トランプ大統領は就任式の翌21日、超大国首脳の動静を世界に伝える役割の報道機関に対しても、「全面対決」の構えを見せた。

「私は、今までのメディアとの戦争を続ける」

 同日、ワシントンで約50万人、全米で320万人が参加し、反トランプを訴える「ウィメンズ・マーチ」が行われた。米紙ワシントン・ポストによると、マーチをテレビで見た同大統領は激怒。反対するスパイサー大統領報道官や側近を押し切って、大統領就任式の観衆は「過去最大」だったという「嘘」の声明を、同報道官に発表させた。「大統領を止められる側近はいないらしい」(CNN)という報道もある。

●大統領令を「楽しむ」

 しかし、就任式の観衆数で過去最大は、2009年のオバマ前大統領の就任時で、約180万人、トランプ大統領のそれは約30万人だった。ワシントン首都圏交通局が調査した地下鉄の乗客数などを根拠にしたメディアの報道で、大統領側の声明の数字は違うとの批判が高まり、同報道官は2日後、訂正するという異常な事態になった。


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