皇居には天皇、皇后が暮らす御所と、香淳皇后が暮らした吹上大宮御所があり、赤坂御用地には皇太子の住む東宮御所や、秋篠宮邸など宮家の邸宅がある。

 小田部教授は言う。

「天皇が費用のかかる新築をあえて好まれるとは思えず、住み慣れない環境に移るのも負担でしょう。天皇は引き続きいまの御所に住み続け、皇太子夫妻が吹上大宮御所などを改装して新御所として使うのでは」

 さらに、こう加えた。

「退位後もある程度公務を行うなら、東京に住むのが現実的」

 東京大学の三谷太一郎名誉教授(日本政治外交史)は、御所を東宮家に譲り東宮御所に移るのではと推測する。

「天皇、皇后は、結婚以来30年以上を過ごし、手ずから庭木などを整えられた現東宮御所に深い思い入れをお持ちと聞いています」

(アエラ編集部)

AERA 2016年9月12日号