カメラ持ち込みも気にせず? 期限切れ鶏肉問題のモラル 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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カメラ持ち込みも気にせず? 期限切れ鶏肉問題のモラル

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市販されている肉類加工品の表示例。原産国表示はあるが、加工地表示はない。どこで加工されたかも消費者の関心ごとだ(撮影/編集部・熊澤志保)

市販されている肉類加工品の表示例。原産国表示はあるが、加工地表示はない。どこで加工されたかも消費者の関心ごとだ(撮影/編集部・熊澤志保)

「また、中国か」。誰もがそう思った、期限切れ鶏肉使用問題。問題の原因は、従業員のモラルにあるようだ。

 この問題を受けて、現地工場での検査の徹底などが叫ばれているが「その検査の質に問題がある」と指摘するのは、これまで食肉処理場や養鶏場、コンビニ向け惣菜工場などでの品質管理業務を担当してきた食品安全教育研究所代表の河岸宏和さんだ。

「委託工場で、自社の生産にかかわるラインしかチェックしない場合が多い。現在のオーディット(検査)はその程度で、抜き打ちでも工場内の隅々にある冷蔵庫などを調べない限り、衛生管理が十分とはいえない。契約を理由に他社のラインをチェックできないようでは、十分なオーディットをしたとは言えないのです」

 加えて従業員のモラル向上やルール徹底こそが「安心につながる」と指摘し、こう続ける。

「くだんの上海福喜の映像での問題点は、そもそも工場内で撮影しているのを知りながら従業員が作業を続けていること。食肉を扱う工場内にカメラが持ち込まれているのに、なぜ誰も指摘しないのか。そんなモラルに欠ける従業員が働く工場は論外です。一人ひとりの衛生管理をチェックし続けることは困難なだけに、委託する側がモラルの質を向上させる努力をしていかなければ、いつまでも問題は起こりうる。生産国を替えれば済む話ではない」

 中国を含めてこれまで海外の工場の衛生管理を視察してきた河岸さんによれば、近年の中国工場の設備自体は比較的優れているものが多いという。問題は、従業員のモラル改善だ。40年以上にわたって食肉業界を取材している、ある畜産ジャーナリストが言う。

「中国の工場では、生産ラインの両側に従業員がびっしりと並び、作業をしていると腕や肩が触れ合うほどだった。経営側には、新しい設備機械を導入するより、たくさんの人を雇って効率を上げるという考え方がある」

 ルールがわからない従業員らが頻繁に入れ替わっては、モラルを高めることが難しくなる。

AERA 2014年8月18日号より抜粋


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