レイプの場合、阿部氏は、被害生徒にはしばらく登校しないように助言する。そして、加害生徒宅を一軒ずつ訪問し、録画された映像などを回収する。その記録が、調査資料として被害生徒の保護者に手渡される。そこから先は、保護者同士の話し合い(多くが損害賠償交渉)になる。教師はというと、生徒間で問題が起きていると気づいても、あえてかかわろうとしない。

 阿部氏はこれまでに20件以上のレイプ事案を扱ったという。「事件は収束しても、被害者の心の傷は簡単に癒えることはなく、解決とは言えない」と、その残酷さを強調する。レイプの低年齢化も著しく、小学生のレイプ事案にも何度も出くわした。しかも6年生などではなくそれ以下の学年でも起きているという。

AERA 2013年10月7日号