丸山茂樹
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まとまってるなあ、金谷は (c)朝日新聞社
まとまってるなあ、金谷は (c)朝日新聞社

 丸山茂樹氏は、東北福祉大の先輩のあの人も称賛する、金谷拓実選手を語る。

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 久々にテレビ解説のお仕事をしてきました! 国内男子ツアーの今年の初戦「東建ホームメイトカップ」(4月15~18日=17日の第3ラウンドは中止、三重・東建多度CC名古屋)は、金谷(かなや)拓実(22)がアマチュア時代も含めてツアー3勝目を挙げました。

 金谷はちょっと前にラジオ番組のゲストに来てくれて、いい話をいっぱい聞かせてくれました。そのときに「開幕戦で優勝」というビジョンを描いてましたので、持ってるなあと思いました。

 しかも東北福祉大の大先輩である松山英樹(29)が偉業をなしとげた後で、いつもより注目されて、いろんなことを聞かれる。そんな中で有言実行の優勝ですから。たいしたもんですよ。

 日体大3年の中島啓太(20)と競り合うところもまた、おしゃれじゃないですか。時代が変わってきて、ゴルフ界にまたファンのみなさんが新たな注目を向けてくれるんじゃないかという気がしますよね。

 1打差で負けた啓太は泣いてたそうですね。ああいう試合をすると、振り返っちゃうんですよね。チャンスは十分あったんじゃないかな、勝ちたい気持ちがちょっと足りなかったんじゃないかな、とか。もちろん悔し泣きできるってのは大事なことです。

 最終日、勝負を決めたのは最終盤の17番パー5でした。同じ最終組で金谷を2打差で追う木下稜介(29)と、1打差の啓太がそろってティーショットを右の池に入れました。二人のミスを見てから打った金谷は風を読み、フェアウエーをキープ。バーディーをとりました。

 打つ順番のラッキー、アンラッキーもありますけど、木下と啓太には警戒心が足りなかったかもしれないですね。あの右の池は危ないんです。だから、あっちの方向に打つなら3番ウッド。アドレスしてるときに「大丈夫かな、こんなに右向いてて」と思ったんです。打った瞬間に「危ないですよ、あの方向は」って言いました。

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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