そして格安会社は一転、逆風となりそうだ。大手に比べ、つながりやすさや速度など通信の品質などが見劣りするためだ。

「影響が大きのが楽天モバイル」と、天野さんは指摘する。楽天はすでに2980円でデータ通信が無制限に使え、通話かけ放題のプランを導入。ただ、楽天のプランで使い放題、かけ放題となるのは自社回線エリアのみで、パートナーのau回線エリアには適用されない。さらに今春導入した無料のプランも、1年を過ぎると有料になってしまう。

 もちろん、ドコモの新プランにも死角がないわけでない。「メインブランドでも、かなりサブっぽい」(石川さん)内容だからだ。家族割引の3人の家庭で、1人が新プランに移行すると適用から外れ、家族割引2人と新プラン1人に分かれる。さらに、既存の利用者が新プランに乗り換えると契約年数の扱いは“ゼロ”になる。「ドコモ料金というわりに、ドコモ料金として扱っていない」(同)

 顧客対応がウェブだけという点も両刃の剣だ。「年配者が店舗に来ると対応せざるを得ないのではないか」(横田さん)、「なんで契約できないんだと、お客さんが店舗に押し寄せてくるのでは」(天野さん)と、当面は混乱するかもしれない。

 すべての利用者がハッピーになるわけでないかもしれない。消費者に望ましい形になるのか、業界“生き残り競争”が本格化する。(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事