社員逮捕で声明を発表した沖縄タイムス(C)朝日新聞社 
社員逮捕で声明を発表した沖縄タイムス(C)朝日新聞社 
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 沖縄県警は11月13日、沖縄の地元紙「沖縄タイムス」の元社員、牧志秀樹容疑者(45)が新型コロナウイルス対策で実施された、国から持続化給付金100万円を不正に受給したとして、詐欺の疑いで逮捕した。牧志容疑者は容疑を認めているという。牧志容疑者は、沖縄タイムスの印刷関連の仕事をしていた社員だった。

 しかし、今年6月から7月にかけて「個人事業主」で「フリマ雑貨」を営んでいると偽り、持続化給付金を申請して受け取ったという。捜査関係者はこう言う。

「牧志容疑者の関連先にはすでに家宅捜索に入り、逮捕前から事情を聞いていた。牧志容疑者の指南で少なくとも10人以上が持続化給付金を受け取っているようだ」

 牧志容疑者は知り合いの税理士から持続化給付金の詳細を聞かされ、不正に受給したと認めている。牧志容疑者は沖縄タイムスに社員として勤務しながら、自身が役員になって会社を経営。金融商品の投資を募っていたという。牧志容疑者の知人はこう話す。

「牧志容疑者は2019年2月、460億円もの金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕された投資会社『テキシアジャパン』の金融商品の勧誘をしていた。牧志容疑者は投資グループを沖縄で主催しており、そのメンバーにテキシアジャパンなどの商品を販売。損害を被った人も多数、いるようです。牧志容疑者はテキシアジャパン以外にも仮想通貨などの投資を手掛けており、8千万円くらい借金があったと聞いた。彼の紹介する投資は危なっかしい感じがあって信用していなかった。持続化給付金の詐欺は借金の返済のために、手を出したんじゃないか」

 テキシアジャパンが摘発された時、逮捕者の中には、六代目山口組の現役組員も含まれていた。今回の持続化給付金の詐欺について捜査関係者はこう話す。

「牧志容疑者の出入りしていた税理士事務所の周辺にいるグループが組織的に3億~4億円もの持続化給付金を不正受給していた疑いが浮上している。手口は那覇市の歓楽街のホステスらに声をかけて、個人事業主に仕立て上げ、持続化給付金を申請させ、何割かをバックさせるというものです」

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