室井佑月・作家
室井佑月・作家
イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 作家の室井佑月氏は、安倍政権に対して「やってることすべてがおかしい」と批判する。

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 8月4日、安倍首相はぶら下がり会見で、「臨時国会については、コロナ対策を含めて諸課題を整理したうえで、与党としっかり相談して対応していきたい」と述べた。

 はあ? なにいっちゃってんのこの方。これに対し、5日、衆議院議員の小沢一郎氏の(事務所と明記してある)ツイッターが、「この半年間、明白な課題が山積なのに『これから課題を整理して更に相談して検討』と、無意味な時間稼ぎに全力の総理。端から国会を開くつもりなんてない。国民の批判をかわすためのくだらない演技。国民はすぐに忘れると。苦境を理解していないからこそ、忘れると思っている」と返した。いいたいことがすべて詰まってる。ほんとにその通りだと思った。

 そういえば、前法相の河井克行、案里夫妻の公職選挙法違反事件や、自民党が彼らに1億5千万円を渡したことについて、7月8日、安倍首相は「党として説明責任を果たしていかなければならない」と明言した。だのに、その後1カ月以上経っても、党による詳しい説明はない。

 臨時国会についてもそうなんだろう。はなからやる気なんてないし、「説明? あいつら馬鹿ですよ」ぐらいに思ってる。

 ふざけるんじゃないよ。やってることすべてがおかしいのだ。子供にだってわかる。

 コロナ対策を担当する西村康稔経済再生相が、「4月の緊急事態宣言時と大きく状況が異なる」といっているが、感染者数はメキメキと増えているわけで、どうしてあのときは緊急事態で、今はそうでないのか。

 対コロナ用のワクチンも治療薬もないのだから、もっと多くの人が気軽にPCR検査をできるようにし感染者を保護しなきゃならないのに、増やす増やすといいながら人口当たりの検査数は世界で最低の部類だ。「PCR検査を増やすと医療が崩壊する」といってた識者や、「PCR検査はコロナに効くわけじゃない」(当たり前だろ検査なんだから)とわけのわからないことをいうコメンテーターで、メディアはカオス状態。ま、それも仕方ないことなのか? だって、政府がそうだもん。

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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