ただ、このコロナ禍で、YouTubeの世界も影響を受けているという。

「なかなか外での自由な撮影は難しいですが、また旅ロケで各地の観光地を盛り上げたり、現地の人と触れ合ったりしたいですね」

 宮迫は、人気飲食チェーン「串カツ田中」の社長と自身のYouTubeチャンネルで対談したことがきっかけで、クラウドファウンディングのリターンとして、串カツ田中のネーミングライツを2千万円で取得した。7月の1カ月間、串カツ田中の各店舗は「串カツ宮迫」となり、話題を集めた。

「ネーミングライツを取得させていただいたことで、オリジナル商品も出そうと思いました。以前から愛媛県愛南町の養殖真鯛アンバサダーをつとめさせていただいてるのですが、これが本当においしくて。これを串カツのメニューにできないかと、串カツ田中の社長に直談判したところOKをいただきました」

 他にも、ファッション通販サイト、ロコンドのテレビCM出演など、周囲が思った以上に活動は順調だ。とはいえ、やはり気になるのは、今後の地上波への復帰や、かつて所属した吉本興業の芸人らとの共演についてだ。

「もちろんいずれも大きな目標なので、そこに向けてもがんばっていきます。また宮迫を使いたい、宮迫と一緒にやりたいと思ってもらえるようにがんばるのみです」

 最終的にはテレビの世界への復帰を目指すようだが、現在のユーチューバーとしての宮迫の活躍ぶりについて、人気バラエティーなどを手掛けるある放送作家は、「ちゃんとユーチューバーになったからだと思います」と語る。

「今、芸人さんがどんどんYouTubeに参入していますが、その多くが、コントなど、自分のもともとの芸を動画で配信するというもので、あくまでも芸人としてのフィールドの中でやっているもの。そこを宮迫さんは、ちゃんとユーチューバーのやるフィールドの動画に最初から取り組んだ。それは、プロの芸人にはプライドがあるからなかなかできないんです。宮迫さんは、『芸人がやっている動画』ではなく、ユーチューバーとして面白いことをやろうとした点。そこが受け入れられたんだと思います」

 そのフィールドの中では、やはり宮迫がこれまで培ってきた売れっ子芸人としてのスキルが物を言うことになったという。

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あの先輩芸人は「同業者としてうらやましい」