新人弁護士が辿り着いた“法の落とし穴”とは? ドイツ国家を揺るがした小説の完全映画化  〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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新人弁護士が辿り着いた“法の落とし穴”とは? ドイツ国家を揺るがした小説の完全映画化 

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週刊朝日
監督 マルコ・クロイツパイントナー/新宿武蔵野館ほか全国公開中/123分 (c)2019 Constantin Film Produktion GmbH

監督 マルコ・クロイツパイントナー/新宿武蔵野館ほか全国公開中/123分 (c)2019 Constantin Film Produktion GmbH

監督 マルコ・クロイツパイントナー/新宿武蔵野館ほか全国公開中/123分 (c)2019 Constantin Film Produktion GmbH

監督 マルコ・クロイツパイントナー/新宿武蔵野館ほか全国公開中/123分 (c)2019 Constantin Film Produktion GmbH

 デビュー作『犯罪』が日本でも本屋大賞や数々の推奨ミステリー本に選ばれた、フェルディナント・フォン・シーラッハの初の長編小説を映画化した「コリーニ事件」。この本がきっかけで、ドイツでは「過去再検討委員会」が発足したという。

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 3カ月前に弁護士になったばかりのカスパー(エリアス・ムバレク)は、ファブリツィオ・コリーニ(フランコ・ネロ)という男の国選弁護人に任命される。ドイツで30年以上模範的市民として暮らしていたこの男は、経済界の大物ハンス・マイヤー(マンフレート・ザパトカ)をベルリンのホテルで殺害したのだ。マイヤーはカスパーにとって、学生時代の自分を支えてくれた育ての父のような存在だったのだが……。

 動機について一切口を閉ざすコリーニ。しかし事件を調べていくうちにカスパーは、コリーニの故郷であるイタリアのある町に辿り着く。やがてそれは、ドイツ国民の誰もが知りたくなかった“不都合な真実”を晒すことになる。

 本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
何も知らず、殺人犯の国選弁護人を引き受けた新米弁護士が行きつく悪法の壁。被告が唯一求める「正義」。父と子、恩人への思い。様々な要素が重なって見えてくる「ナチスの大物が戦後、公職・要職に就けた理由」が腹立たしい。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
見えない動機を追い求めるリーガル・サスペンスを通して、戦後の脱ナチ化の落とし穴を鮮やかに浮き彫りにする。主人公をトルコ人の母親を持つアウトサイダーに設定したことで、権力との対決が際立つドラマになった。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
観る前は苦手意識が凄かったけど、ここ最近で一番のめり込みました。息を止めてしまいました。とてもわかりやすく演出され、娯楽作品に寄せています。みんなの気持ちやトラウマを考えると切なくてひくひく泣きました。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★ なかなかGOOD!
力作なのは間違いないが、ミステリーとしてはオーソドックスすぎる作り。それは回想の入れ方などに顕著。原作によって法律を見直すことになったのは興味深い。フランコ・ネロの出演が往年の映画ファンには楽しめる。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2020年6月26日号


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