反響は予想以上だった。無料相談は予約制で1日2件に限定しているが、枠はほぼいっぱい。10~50代まで男女問わず申し込みがあるという。

 ところで、なぜ自粛生活が髪に影響を与えるのだろうか。これについて、古中さんは二つの理由を挙げる。一つは“一日中座りっぱなしの生活”、もう一つは“自粛ストレス”だ。

「いずれの理由にも共通するのが、血流の低下。頭部は心臓から離れた場所にあるので、全身の血流が悪くなると、髪もその影響を受けやすいのです。血流が悪くなると手足など末端が冷えますが、それと同じ現象です」(古中さん)

 頭頂部への血流が滞ると、髪の根元にある毛母細胞に栄養が届きにくくなる。そのため髪が十分に成長できず、伸びる途中で抜けてしまうというのだ。そのため、コロナ抜け毛では頭頂部の髪が抜け、薄くなっていくことが多い。

「そしてもう一つ、無料相談で分かったコロナ抜け毛の意外な理由は、“髪を洗わなくなった”ということなんです」(同)

 通勤していたときは屋外に出るため、髪にホコリが付き、頭皮は汗をかく。そのため髪を毎日洗っていた人のなかに、テレワークで自宅にいると髪が汚れないからと、髪を洗う回数を減らしている人が出てきているようなのだ。

 古中さんが指摘する。
「シャンプーには髪や頭皮を清潔にするだけでなく、指で触れることで頭皮の血流をよくするという効果もあります。その機会が減れば血流が悪くなり、やはり毛母細胞に栄養が行き渡りにくくなります」

 自粛生活が終わり、通常の生活に戻れば、抜け毛は自然と減る。だが、またいつ自粛が要請されるとも限らない。そうなると、コロナ抜け毛のリスクはつきまとう。

 では、どんな対策を取ればいいのか。

「もちろん、座りっぱなしにならず、規則正しい生活を送る。ストレスをためないことが大事ですが、なかなか実践するのはむずかしい。だとしたら、せめて正しいシャンプーを身につけて、その方法で毎日、髪を洗ってほしい。それだけでも、コロナ抜け毛は予防できます」(古中さん)

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OHBA流シャンプー法とは