正月ごろには1年生が8人になっていました。ここまで残った仲間、という意識はみな強かったと思います。チームメイトの宮田くんとは毎日一緒の電車で学校通ってたし、帰りも一緒。でも「辞めたいんだよね」とは言えなかった。仲間に相談しないまま、春休み明けの昼休み。先生に「辞めさせてください」と言いに行きました。「そうか」と先生。引き留められもしなかったので、その日から練習行かなくなっちゃった。翌日、7人が電車乗り継いで我が家まで来てくれて「辞めんなよ!」と言ってくれたんですが、「いや、辞めます」とだけ返したら、みなしょんぼりと帰っていきました。以来、校舎で会っても気まずくなってきてそのまんま卒業。

 友達の名前もまだ覚えているものです。名前で検索してみると、ラグビーに関わる仕事に就いていたり、趣味でラグビーやっている画像が出てきたりと元気なようで何よりです。W杯を観ていたら、ちょっと切ない気持ちになってしまいました。みんな、あの時はごめん。

週刊朝日  2019年11月15日号

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