ちなみに、つるの君にはそこはかとない『絶倫感』が漂っています。分かりやすく『オス』です。私もガッツリ『オス(しかもかなり旧式タイプ)』なので、どうしてあんな絶倫感満載の男が毎晩家に帰り、ましてや家事や子育てにもニコニコしながら参加するのか、正直不思議でたまりません。男の絶倫性というのは、たいてい外や他所で処理されがちです。しかし、つるの剛士はそれをも家庭に持ち帰る。とりあえず女性にとって、これはなかなか嬉しいことでしょう。そして彼が『ベスト・ファーザー』に君臨し続ける最大の理由はそこなのだと思うと同時に、つるの君の奥様って一体どんな人なのだろうと興味津々です。

 というわけで、男と女はいろいろと忙しそうで羨ましい限り。今思えば、花見帰りに朝方まで一緒にやさぐれながら呑んでいた蒼井優とも、何か恋の話をしたようなしなかったような……。それすら覚えていないほど、ただ酔っ払っているだけの私にドラマなんて起こるはずがありません。もうこうなったら原田龍二の4WD、本気で買い取ろうかしら。それはそうと、『ベスト・ファーザー賞』『ベストマザー賞』『ベストカップル賞』があるのに、どうして『ベストシングル賞』はないのでしょうか? 今なら壇蜜・マツコさん・リリーさんを抑えて、絶対に獲る自信があります。

週刊朝日  2019年6月21日号

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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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