映画「ドント・ウォーリー」 決して人生を降りなかった風刺漫画家の実話 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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映画「ドント・ウォーリー」 決して人生を降りなかった風刺漫画家の実話

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長沢明週刊朝日
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 2010年に59歳で他界したキャラハンの自伝をもとに、世界中にファンを持つ監督のガス・ヴァン・サントが映画化。禁酒会の主催者役のジョナ・ヒルをはじめ、ルーニー・マーラ、ジャック・ブラックなど豪華な配役も見もの。

【「ドント・ウォーリー」の場面写真はこちら】

 オレゴン州ポートランドの風刺漫画家ジョン・キャラハン(ホアキン・フェニックス)。アルコールに頼る日々を過ごしていた彼は、ある日、自動車事故に遭い、一命を取り留めるが胸から下が麻痺し、車椅子の生活を余儀なくされる。絶望と苛立ちの中、ますます酒に溺れ、周囲とぶつかる自暴自棄な毎日。彼は、自分を産んで捨てた母親への憎しみに執着していた。
 だが、ある禁酒会に参加したことや、幾つかのきっかけから、自分を憐れむことをやめる。そして過去から自由になる強さを得ていく。やがて持ち前の辛辣なユーモアを発揮して、不自由な手で風刺漫画を描き始める。再び人生を築き始めた彼の周りにはかけがえのない人たちがいた……。

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
酒酔い運転の悪友はかすり傷、隣に座ったキャラハンは車椅子に乗る身に。不運な男を描くガス・ヴァン・サントはドライでクール。描写は全然湿っぽくなくてズバリと辛辣なキャラハンの描く漫画そのもので小気味よい。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
時間を前後させ、アニメも挿入しつつ主人公の変貌を浮き彫りにする巧みな構成はさすがヴァン・サント。自分を許し、受け入れることが、いかに大切なのかを納得させられる。ジョナ・ヒルの予想外の演技が心に染みまくる。

LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
事故で身体が不自由になる重いテーマではあるが、お涙頂戴でないのが良い。事故前の孤独で不健康な生活と別れ、愛を見つけ、自分の才能にも気づき一生懸命に生きていました。希望を捨てないでという叫びが聞こえる。

わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
中毒、回復、許しを含む内容をとても丁寧に描いている。何よりもホアキン・フェニックスの演技に尽きる。ユーモアが重くなりすぎないように作用している。生きることの尊さと、そのために必要なことが再発見できるだろう。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2019年5月17日号


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