「笑顔の向こうに」の大地役は、昨年11月に公開された「ギャングース」で演じた、社会の最底辺を生きる犯罪少年の役とは対照的だが、彼は、「普通の役も、ぶっ飛んだ役も、どっちも同じくらい面白い」と話す。

「普通の青年を演じると、必ずと言っていいほど、周りの人たちに影響されて、役が成長していくものなんです。クレジット上は僕が主役かもしれませんが、大地というキャラクターは、周りの人によって作られている。だから僕には、この映画も、ある種の群像劇のように思えるんです。今回は、松原智恵子さんが演じてくださったおばあちゃんにも、ずいぶん助けられました。おばあちゃんを前にすると、僕が自然と“大地”になれた。でも、現実にはあんなに上品で優しくて奇麗なおばあさん、いないと思います(笑)」

(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日  2019年3月1日号