「スーパーカーブームのピークは77年。70年代前半の日本にはフェラーリは100台ほどしかなかったと思います。フェラーリと言っても『フェアレディの間違いじゃないの?』と聞き返されるくらい、認知度は低かった。今では年間700から800台輸入されていて、合計2万台弱が日本に存在していると思います」

 そう語るのはモータージャーナリストの清水草一氏だ。車好きなら誰もが憧れるフェラーリの、しかも“限定品”。2億円超の値段はどう映ったのか。

「意外に高くないなあというのが第一印象です。限定生産ではない“普通の”フェラーリデイトナでも、今買おうとしたら1億円くらいはします。それを考えると安いかもしれません。ただ、時代によって古いスーパーカーの値段は大きく変動していて、80年代前半には300万円くらいで買えたこともありました」

 はやり廃りや、ブームに乗るか如何で価値が大幅に変わるスーパーカーだが、関心を持っていないことには価値すらわからない。

「興味がない人からすればまったく価値がわからない。長いこと乗らないランボルギーニのカウンタックのフロントガラスがすべり台になっていた、なんてエピソードがあるくらいです。今も全国のどこかの納屋にスーパーカーが眠っている可能性はありますよ」

 もしかしたらあなたの納屋にもとんでもないお宝が眠っているかも?(本誌・秦正理)

※週刊朝日オンライン限定記事

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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