「側近の下村博文都連会長は都議選惨敗がわかっていながら、最終日に秋葉原で安倍さんを演説に立たせた。昨年の都知事選のときは大敗がわかっていたから、安倍さんを表に一切、出さなかったのに。完全な責任逃れで安倍さんへの“裏切り”行為。細田派を受け継ぐ会長候補として情けない」

 身内まで離反し、孤立無援状態なのだ。

「16日には東京・富ケ谷の自宅に昔からの友人である荒井広幸元参院議員(郵政選挙で自民党を離党)を呼んで母、洋子さんと一緒に3時間ほど食事していました。だが、安倍さんは外遊疲れ、支持率低下で元気がなかったようです。対照的に昭恵夫人は元気に出歩いているようです」(前出の自民党関係者)

 政府関係者によると、安倍首相は求心力を取り戻すため、藁(わら)にもすがる思いで内閣改造を行うという。

 しかし、菅義偉官房長官、麻生太郎財務相のほか、二階俊博幹事長は留任。ポスト安倍の有力候補、岸田文雄外相と20日夜、珍しく2人きりで会談し、必死で留任を説き伏せた。

「岸田氏は『閣外に出たい』と訴えたが、岸田派からの入閣増を条件に続投を確約させた。稲田防衛相の後任には小野寺五典氏など元防衛相経験者を起用するそうです。人気が高い小泉進次郎衆院議員は無派閥ながら異例の官房副長官起用を打診している。ウルトラCを狙って政権と距離を置く野田聖子・元総務会長を厚生労働相か五輪担当相、麻生氏が強く推す甘利明・前経済財政担当相を、9月から始まる日米経済対話の要衝的な重要ポストを党に新たに設けて充てるか、幹事長代行抜てきの方針で調整中。26%台に落ち込んだ支持率が40%台に乗ればいいとの思惑です」(政府関係者)

 改造後に行う都連会長の選考では小池百合子都知事と近い石破茂・元幹事長側近の鴨下一郎・元環境相を充て、発言に過激さを増す石破氏をけん制する狙いという。(本誌 村上新太郎)

週刊朝日  2017年8月4日号