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ホッカイドウ競馬で電撃復帰した“裏のカリスマ”騎手とは?

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引退しても、競馬ファンは藤田の言動が気になって仕方ない(※写真はイメージ)

引退しても、競馬ファンは藤田の言動が気になって仕方ない(※写真はイメージ)

 作家でコラムニストの亀和田武氏は、週刊朝日で連載中の『マガジンの虎』で、雑誌「競馬王」を取り上げた。

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 競馬シーズン到来。天皇賞、オークス、日本ダービーなど、G1レースが切れ目なくつづく。

 ダービーを制するのは、どの馬か。競馬雑誌はこのテーマに沿って編集される。ところが「競馬王」(ガイドワークス)5月号の巻頭を飾るのは、元騎手の藤田伸二だ。

 藤田がJRA騎手を電撃引退したのは15年9月だ。1年半たった3月中旬、スポーツ紙が、藤田の“ホッカイドウ競馬での騎手復帰”を報じると、ヤフーニュースのトップに躍りでた。「競馬王」は、いかにして馬券を当て、儲けるかに特化した雑誌だ。なのに“騎手復帰”の真相を、いまは北海道に住む本人に直撃して巻頭に載せた。

 引退しても、競馬ファンは藤田の言動が気になって仕方ない。武豊が「Number」の表紙を飾る表のプリンスならば、藤田は裏のカリスマだ。13年に刊行した『騎手の一分』(講談社現代新書)ではJRAの組織体質を痛烈に批判し、大手書店でも新書売り上げ1位を記録した。

「緩いんだよ、中央競馬の騎手は。賞金も安くて日程もハードな地方競馬の騎手に比べて、本当に生ぬるい」。そんな状況を歯がゆく思う藤田は、賞金がJRAと比べ1ケタ以上も安いホッカイドウ競馬で復帰すれば「いろんなファンの思いを背負った騎手になれると思う」と語る。

 地方競馬の試験は9月だ。これをクリアして、来年夏にJRAの函館と札幌競馬での交流戦で、彼が乗った地方馬が重賞を勝てば、劇的なこと、このうえない。もし地方競馬の試験に落ちても、オーストラリアで免許をとることも選択肢にあるという。ヤンチャな藤田のあざやかな復活劇を誰もが望んでいる。

週刊朝日  2017年5月19日号


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