──12歳で子役デビュー、10代では舞台で演技に磨きをかけ、20代では美貌と才能を買われてスピルバーグの「A.I.」などハリウッド大作で引っ張りだこに。英アンソニー・ミンゲラ監督「リプリー」、「アルフィー」では、はまり役のハンサムな役を堂々と演じ、女性ファンが急増しました。あなたの成功と若さの秘密はどこにありますか?

「ありがとう。常に運動をこころがけているし、運動するのは楽しい。少し前に比べると、僕はずっと健康になったと思う。運動するのが生活の一部になったし、そうなると運動するのもあまり苦にならない」

──具体的にはジムでトレーニングしたりする?

「走ったりジムに行ったり、ボクシングしたり。いろんなことをやっているよ。毎日少しずつだが。人生に対してもリラックスした態度になった。例えば最近一つ仕事を終えたばかりだが、次の仕事は決まっていない。これが10年前だったら、第一にこうやって人に打ち明けることもなかっただろうし(笑)、心配でパニックになっていたはずだよ。ところが現在は、次の仕事が決まっていなくても、満たされた気持ちで家でゆっくりしていられるんだ。そのうち仕事が来るだろうと思っているし、やりたいことも、読みたい本もいろいろとあるからね」

──私生活で過去、女性関係でタブロイド紙を騒がせることもたびたび。40代になり、落ち着きが出てきました。父親として10代の息子さんにどんなアドバイスをしていますか?

「10代後半から小さい子まで4人いるんだ。長男のラファティーは19歳で、モデルの仕事をして、公の世界に足を踏み入れた。モデルは、おこづかい稼ぎだったけれど、音楽をやっていてそちらのほうにはかなり真剣でこだわりも強い。19歳という年齢だから、がむしゃらに何かに向かっていくのはいいことだと思うね。家で、だらだらしているよりはずっといいよ(笑)」

──新作はHBOテレビシリーズ「ヤング・ポープ」ですが、ローマ司教を演じる感想は? あなたは宗教心が強いほうですか?

「特にうちは信心深い家庭ではなかった。母はカトリックだったけれど、人に敬意を払いなさいと言う程度だったし。ローマ司教を演じるのは興味深い体験だったよ。脚本が詳細まで記されていて詳しかったので、それほどのリサーチは必要なかった。聖書を読んで、言及されている箇所を勉強したりしたくらい。ローマに住んでラテン語を習ったり、楽しい体験だったよ」

(ライター・高野裕子)

週刊朝日 2016年10月7日号