人口の約10%がパーソナリティー障害 「性格だから治らない」は大きな誤解 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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人口の約10%がパーソナリティー障害 「性格だから治らない」は大きな誤解

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週刊朝日#病気
粘り強く治療することが大切(※イメージ)

粘り強く治療することが大切(※イメージ)

 人間関係のトラブルが絶えない、感情が激しい、自分のからだを傷つけてしまう。パーソナリティー障害は、感情や行動、認知などのパターンが著しく偏っているため、社会生活にうまく適応できない精神疾患だ。病気が引き起こす問題で、本人だけでなく家族も苦しむことが多い。疫学調査で、一般人口の約10%が該当するという統計もある。

 パーソナリティー障害は、感情や衝動などの傾向から10タイプに分類されるが、その中で重症度が高く、病院を受診する患者の6割以上を占めるのが、「境界性パーソナリティー障害(BPD)」だ。青年期に発症し、患者は20代から30代前半の女性が多い。対人関係のトラブルの多さ、感情の激しさ、自傷行為などの衝動的な行動が代表的な特徴だ。

 その病名から、「性格の問題は治らない」という誤解を招きやすいが、欧米の研究によれば、長期的に治療すれば、十分に回復が見込めることがわかってきた。

 長期にわたって患者の経過を追っているアメリカの二つの研究で2010年と11年、患者の8~9割が治療すれば10年後には特徴的な症状がおさまることがわかった。つまり、これまで治りにくいと考えられていたBPDの症状は、予想外に変化しやすいことが明らかになったのだ。

「一生変わらない素質ではなく、人生の一時期の問題としてとらえて粘り強く治療することが大切です」

 こう話すのは、長年BPDの治療に携わってきた帝京大学病院の林直樹医師だ。世界的に知られた精神疾患になっている一方、日本では医療関係者の中でもBPDの理解が十分に進んでいないのが現状だ。欧米での治療法の進歩を受け、日本の精神科医の認識も変わりつつある。

週刊朝日 2016年1月1-8日号より抜粋


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