
初参戦の2011年にいきなり6位、その後、5位、4位、そして昨年は2位と順位を上げ、今年の「ゆるキャラグランプリ2015」で本命視されていたキャラ、埼玉県深谷市の「ふっかちゃん」。9月の中間発表で、まさかの3位スタートとなった。この結果に、
「グランプリ目指しているのに、くやしいー!」
と、ふっかちゃん。
ふっかちゃんは、深谷市名産の深谷ねぎがツノとして頭にはえている、10年6月に誕生した、カワイイ動物系キャラ。
「ウサギのようでシカのような、『ふっか』という生き物だよ」
現在3位、
「最後には、ふっかちゃんがいただき、いただきっ!」
と逆転を目指すが、昨年も群馬県の「ぐんまちゃん」にそのまま逃げ切られてしまった。なんだか「まゆゆ逆転できるか、指原逃げ切るか」といった、AKB総選挙の話のようでもある。
昨年のふっかちゃんの最終獲得票数は、約84万票。今回は中間発表の時点ですでに94万票と、昨年をはるかに上回るペースではあるが、1位の「みきゃん」(愛媛県)と2位の「出世大名家康くん」(浜松市)は、すでに100万票超え。かつてないハイレベルの戦いなのである。
ところで、ふっかちゃんは、今回でのグランプリからの“卒業”を宣言している。ここもちょっとAKBみたいだが、その心境をたずねたところ、
「昨年いよいよ2位まできて、『次はグランプリしかない』という強い決意でのぞんでいるからだよぉ♪ 町おこしのために上位を目指す、他のゆるキャラたちに道をゆずるため、最後としたんだよぉ♪」
とのことだった。
加えて、今回のグランプリ決勝会場は、2位の家康くんの地元・浜松市。そして来年はみきゃんの松山市での開催ということから、上位2キャラの地元票が、さらに勢いづきそうな雰囲気もある。
みきゃんが逃げ切るのか、家康くんが逆転するか、はたまた、ふっかちゃんがメイクミラクル、卒業に花を添えるのか。11月の決定まで、あと1カ月半。
(太田サトル)
※週刊朝日 2015年10月23日号