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漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「表参道高校合唱部!」(TBS系 金曜22:00~)について、こう批評する。
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高校の合唱部にスポットを当てたこのドラマ。合唱と言っても、「ハモネプ」系のアカペラコーラスで、今どきのノリだ。
合唱部を立て直そうとがんばる主人公を演じるのは、芳根京子。いかにもNHKの朝ドラ的キャラだけど、初主演の新鮮味は十分。
ただ、どうしても歌とドラマが合体した時に生じる問題がひとつ。それは、「なんでいきなりここで、歌い出しちゃうのか」問題なんである。
常々タモリは、言っていた。「なんで撃たれて死にそうな恋人同士が3度(インターバル=二つの音の差)でハモるんだ!」
ミュージカルに必ずつきまとうこの疑問が、このドラマにもあふれている。
イジメにあい、引きこもっている元・合唱部員の家の前。主人公はひとり、2階の窓をみつめ、歌い出す。
ふと、どこからか重なるソプラノの歌声。はっと振り返れば、道路には横一列に並んだ合唱部員たちが!声を揃え、美しく響き渡る「翼をください」……って、近所迷惑だから。よけい引きこもるから。
イジメにあい(またイジメか、なんて学校だ)、なかなか試合に出られない野球部員。やっと立てた紅白戦のバッターボックス。
しかし、彼の頭部を襲う危険球。紙一重でよけて倒れふす。その時だ。