警察は当初、護送車に過失はないという認識だったが、22日、まゆ美さんの会見1時間前になってはじめて、「護送車の車線変更によって萩原さんが運転操作を誤って転倒した可能性がある」として自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いで捜査をしているとあわてて発表した。

 交通事故訴訟に詳しい、アウル東京法律事務所の今村幸正弁護士は言う。

「加害者が警察内部の人間となると、対応に手心を加えることも懸念されます。事実を明らかにするためには、ご遺族が刑事告訴をする可能性もあります」

 警視庁は本誌の取材に対し、「検死はまだ解剖結果が出ていない。事故原因は目撃証言や防犯カメラの解析なども進めている」。

 公正な捜査のうえ、遺族が納得する捜査情報を明らかにすべきだろう。

週刊朝日 2015年6月5日号