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関西連続「後妻業」事件 千佐子容疑者が書かせた遺言公正証書

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週刊朝日

 京都府警に殺人容疑で逮捕された筧(かけひ)千佐子容疑者(68)は、高齢男性らを結婚相談所で物色し、約8億円もの遺産を手にしていた。その武器となったのは生前、男性らに書かせた遺言公正証書だ。本誌はその文書を入手。そこから千佐子容疑者の「後妻業」の手口が浮かび上がった。

 千佐子容疑者に籠絡され、身ぐるみ剥がされ、2008年に亡くなったのは、奈良県在住だったOさんだ。

 Oさんは奈良県や大阪府で洋品店などを経営。15年ほど前に妻が他界し、息子は首都圏にいて一人暮らしだった。結婚相談所に登録したところ、紹介されたのが千佐子容疑者だった。

 Oさんの知人によれば、

「07年冬に『パートナーが見つかった。自宅を売却し、マレーシアに一緒に移住する』と連れてきたのが千佐子でした」

 08年2月、Oさんは買い手が見つかった大阪府内の戸建て住宅を急きょ売却。奈良市内の安アパートに引っ越し、千佐子容疑者との同棲をスタート。周囲には、「6月に結婚してマレーシアに永住する」と話していたが、同年3月5日早朝、Oさんは急死した。

 鹿児島県に住むOさんの弟はこう訴える。

「兄が急死したと聞き、ガックリしていると、現れたのが、内縁の妻という千佐子でした。死因は急性心不全。千佐子は『朝起きて、2階から下りてこないから様子を見にいくと倒れていたので通報した。警察が来て何時間も調べて、事件ではないと言われた』と説明しました。兄は元気でしたから変だと思った。千佐子は『遺産はすべて私が相続する。公正証書という証拠がある』と言うので、より疑念を抱きました」

 その後、千佐子容疑者は鹿児島の弟たちに「遺言公正証書」という書類を送りつけてきたという。07年12月25日のクリスマスに大阪市内の公証人役場で作成されたものだ。

 Oさんの全遺産を内妻の千佐子容疑者に譲る。葬儀や納骨も千佐子容疑者が執り行うという内容だった。

「千佐子は兄の遺産の一部である鹿児島の土地を売りたいと言ってきた。だが、田舎なので評価も難しく、兄の息子がカネで解決したそうです。兄の遺産は約2千万円あり、大半が千佐子に渡ったようです。それなのに、千佐子は通夜でも『遺産が思ったより少なかった』と文句を言うばかりで、何という女かと思いました。おまけに兄の遺骨を無縁墓地に入れたそうで弔うこともできない。あんな強欲女と出会わなければ、今も老後を楽しんでいるはずなのに」(Oさんの弟)

 さらに驚くべきは、Oさんと千佐子容疑者が交際していた時期だ。

 千佐子容疑者は08年2月に大阪府内のYさんと結婚。5月には死別し、遺産相続していたが、奈良でOさんとも二股交際。同3月にはOさんも亡くなっている。

 千佐子容疑者は筧勇夫さんと4度目の結婚をした後も結婚相談所に通い、見合いをしていたという。

(今西憲之/本誌・横山 健)

週刊朝日  2014年12月12日号より抜粋


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