「衆院解散」という天変地異にのまれ、選挙を前にしてあえなく消滅の憂き目を見る政党も出てきた。

 11月19日、みんなの党は両院議員総会を開き、結党5年にして「解党」を決めた。民主党との連携を模索していた浅尾慶一郎代表と、安倍政権との連携を主張し、反発する渡辺喜美前代表との対立が決定的となり、あえなく解党となったのだ。みんなの党議員がこう話す。

「解党の最大の要因は浅尾氏と渡辺氏の感情のもつれ。浅尾氏は渡辺氏が衆院選で『みんなの党』という名前を使えないように、わざわざ公示日の12月2日に解党届を出すようだ。渡辺氏は新党を作ると言われているけど、ついていくのは3人ほどじゃないか」

 その渡辺氏、最近は意外な場所で目撃されていた。10月24日に都内のホテルで開かれた、みのもんたの古希祝いのパーティーに、離婚説も報じられた妻・まゆみさんとともに姿を見せたのだ。

「私も転落を経験しまして、人の世の情けを知りました。昔は8億円でずいぶん騒がれましたけど、パンツの中まで調べられましたが、何も出てきません(笑)。聞かれる前に言っときますが、(奥さんと)仲良くやってます」

 妻と2人で腕を組んで登壇した渡辺氏は化粧品会社DHC会長からの8億円借金問題や妻との関係をネタに笑いをとる荒業を披露した。

 だが、地元の栃木で評判を落とし、苦戦は必至だ。

「選挙後、国税局が渡辺さんの事務所を捜索するという話もある」(関係者)

 本誌が先週報じたとおり、小沢一郎代表の生活の党にも“終わり”が近づいているようだ。

 所属議員を民主党に合流させる計画が、いよいよ現実化してきたのだ。

 21日には、鈴木克昌幹事長や小宮山泰子衆院議員が民主党から出馬すると報じられた。小沢氏が民主党の岡田克也代表代行と会談して、話をつけたという。小沢氏自身は、生活の党から出馬する見込みだ。

「他の所属議員も民主党や維新の党からの出馬を考えているようだ。民主党も候補者が足りなくて困っていたから、お互いの利害が一致した形でしょう。生活の党は年末に政党交付金が入るからまだ解党しないだろうけど、今回の選挙で実質はリセットじゃないか」(生活の党関係者)

 長年、連れ添った和子夫人とも最近、離婚が成立したとも報じられ、公私ともにひとりぼっちとなってしまった。

 盛者必衰は政治家の定めとはいえ、つくづく残酷な結末である。

(本誌取材班=一原知之、小泉耕平、牧野めぐみ/今西憲之)

週刊朝日 2014年12月5日号より抜粋