捜査難航の盲導犬刺傷事件 飼い主は取材攻勢で疲労困憊 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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捜査難航の盲導犬刺傷事件 飼い主は取材攻勢で疲労困憊

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週刊朝日

 8月末にワイドショーなどが次々に取り上げた盲導犬(アイメイト)刺傷事件。8月1日付の朝日新聞「声」欄への投書をきっかけに表面化した。

 事件が起きたのは、7月28日。さいたま市に住む男性(61)は午前11時ごろ、オスのラブラドルレトリバーのオスカー(8歳)とともに自宅を出た。JR浦和駅から電車に乗り、JR東川口駅で下車。勤務先に着いたところ、同僚がオスカーの出血に気づいた。

 訓練されているから、オスカーが少しも鳴かず、飼い主の男性は異変に気づかなかった、という美談が報道されたが、誤報もあったようだ。

「声をあげたら叱るような訓練は行っていない。そんなことをしたら虐待です」(業界関係者)

 男性の友人も証言する。

「オスカーの足を踏んづけたことがあるが、普通にキャンキャン鳴いてました。刺されたときは駅の電車の音などで鳴き声がかき消された可能性があります」

 それでも、健気に勤務先まで寄り添ったことに変わりはない。オスカーが運び込まれた「なぎの木どうぶつ病院」の内田正紀院長は、痛ましそうに語る。

「500円玉ほどの皮膚の面積に、3カ所の刺したような穴と2カ所の打ち身のような痕がありました。傷口を消毒するとき、さすがに痛そうな顔をして、体を動かしていましたね」

 埼玉県警武南署では、3千枚の情報提供を呼びかけるチラシをまき、器物損壊容疑で捜査中だ。

「激励の手紙はたくさんいただきましたが、情報は全くないつらい状況。男性が歩いた道のりには、いくつか防犯カメラがあるんですが、映像が不鮮明なものが多く、駅の防犯カメラにも不審者は映っていなかった」(捜査関係者)

 勤務先近くのコンビニの防犯カメラに、着ていたシャツに血をにじませたオスカーが映っていたが、「男性が自宅を出てからコンビニに至るまで、どこで刺されたのかがわかっていない」(同)のが現状だ。

 JR東川口駅の隣のJR南越谷駅で、別の盲導犬をつけまわしている不審な男の目撃情報もあったが、犯人の可能性はゼロという。

 飼い主の男性は、マスコミの取材攻勢に疲れ切った口調でこう話した。

「オスカーは今のところ何とか元気です。いろいろあって、私は疲労困憊です」

 犯人逮捕が待たれる。

(本誌・上田耕司、古田真梨子、牧野めぐみ/今西憲之、伊藤あゆみ、黒田 朔)

週刊朝日 2014年9月19日号


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