迷宮入りかと思われた事件が動いた。8年半前、栃木県今市市(現・日光市)の小学1年生・吉田有希ちゃん(当時7)が殺害された事件で、勝又拓哉容疑者(32)が逮捕された。児童ポルノ画像をたくさん集めていたという男が抱えていた闇を追った。

 臨床心理士の長谷川博一氏は幼児の画像が大量にあったことを、こう分析する。

「初めは、幼児の裸を見たい、触りたい、写真を撮りたいといった気持ちが、ネット画像に触れるなどして、徐々に猟奇的な側面を強めたのではないか。めった刺しのような犯行だというが、言うことを聞かないことが引き金となり、パニックのようになって猟奇性が表面化したのではないか」

 そしてこう話す。

「小児性愛者には、狭義の性欲を満たす目的のことが多い。だが勝又容疑者の場合、小児性愛者の中でも、心理的な欲求が強いことが特徴的です。拘束し、触るなど、自分のしたいようにコントロールして征服感で満足するタイプです。同世代との関係が苦手だったということから、言葉巧みでなくても許される女児に興味が向かったと考えられます。類似した小児性愛者としては、連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤でしょうか」

 勝又容疑者のものとされるツイッターには、<スク水+ランドセル、最強な組み合わせ>などと昨年7月末ごろ複数回の書き込みがあった。

「もし、本当に彼が書き込んだとすれば、欲求の浮き沈みが激しいタイプでしょう。だから、『スク水(スクール水着)』とつぶやいたときは、第2の被害者が出かねない危ない時期だったと思う」(長谷川氏)

週刊朝日 2014年6月20日号より抜粋