藤巻健史「ばらまきが許される事態にはない」の根拠とは 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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藤巻健史「ばらまきが許される事態にはない」の根拠とは

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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 10月1日、安倍晋三首相は当初の予定通り来年4月1日から消費税の増税をすると表明した。元モルガン銀行東京支店長の「伝説のディーラー」、藤巻健史氏は増税を支持するものの、使い道には指摘したいことがあるという。

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 かつて大蔵省理財局で国債発行の仕事をしていた宮沢洋一参院議員が中心になって、野党時代の2011年6月に自民党が「X-dayプロジェクト」の報告書をまとめた。財政は極めて厳しい状況にあり、財政再建が進まなければ、「今後7~8年以内」に国債市場が崩壊するXデーが訪れかねないという報告書だ。

 11年6月から7~8年後ということは、いまから5~6年後だ。明記はしていないが、財政破綻のリスクという恐ろしい現実を示唆している記述もある。

 私はご存じ、過激なほどの財政破綻(が間近に迫っている)論者だ。程度の差はあれ、かつて国債市場に携わってきた、それも(僭越ながら)ビッグネームだったプロ2人が「いま財政は極めて厳しい状況にある」と認識したのだ。それほど緊迫している以上、今回の消費税増税は不可避だったのだ。

 問題は「消費税増税は財政再建のためのはずだった」のに、自民党は政権を奪回した途端、再度ばらまきを始めた点だ。自民党の「X-dayプロジェクト」は「民主党のばらまきがXデーを早める」という警告の報告書だったはずなのに。消費税を上げるたびにばらまきを進めていたのでは、いたちごっこで、いつまでも財政再建は達成されない。

 ばらまきが許される事態にはないということを政治家はもちろん、マスコミ、国民も十分認識すべきなのだ。すぐにでも単年度予算を黒字化するための血の出るような努力をしなくてはならない。もしそれができないのなら、地獄を見る。その地獄は財政悪化を放置した人災と言うか、自業自得と言わざるを得なくなる。

週刊朝日 2013年10月18日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。2013年7月の参院選で初当選。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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