ついに瞬間最高視聴率が40%を超えたTBSドラマ「半沢直樹」。ドラマの仕掛け人である福澤克雄監督(49)は主役の堺雅人についてこう語る。

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――堺雅人さんを半沢直樹役に選んだワケは。

 監督をした「南極大陸」でご一緒したときに、この人は別格の役者だなと思っていました。何といっても、しゃべりが早いですから。その上、的確で滑舌もいいし、膨大な台詞も覚えられる。これは、特殊技能ですよ。役者としての姿勢も素晴らしいです。スタジオへ来ると95%の力は芝居のために使っている。共演者と与太話でゲラゲラ笑うということもありません。きちっと台詞を覚えてくる。芝居のことだけを考える姿勢に僕はとても感動しました。それで、堺さんといつかまたやりたいな、と思っていたのです。偶然かつ後からわかったことですけど、池井戸先生も、半沢直樹をやる役者は堺さんがいいと思っていたそうです。

――体育会的な男臭い登場人物ばかりですが、女性にも支持されています。

 実は、最初は女性の視聴者はいなくて結構、と思って作っていました。だから、半沢の奥さんである花も、男が「この奥さん、わかっているな」と思うようなキャラクターにしました。近藤の奥さんみたいに「あなたは大丈夫よ。頑張ったんだから、きっと昇進よね」と言われるよりも、花のように「もういいわよ。どうせ出向なんでしょ」と悪態つかれたほうが、男にとっていかに楽なことか。あなたについて行く、ということを暗に言っているわけだしね。しかも、半沢が遅く帰っても、ちゃんと起きてご飯を作ってくれている。

――花の作るご飯は、品数も多いですね。
 僕が料理好きだから、こだわりました。和風で低カロリー、高たんぱく質。絶対に長生きする料理を5、6品です。家でもあれくらい作りますよ。腹いっぱいになるけど太らないんだよね。でも、最近は少し太りました。6月6日から2カ月半、ずーっと家に帰れなかったから。撮影やらカット割りやら編集でね。とにかく忙しかったです。ただ、今回は自分が持ってきた企画だし。池井戸先生にお願いして、みんなを巻き込んだし、自分でもある程度ホン(脚本)を書いていたから、もう逃げられなかった。ホンがつまらないからしょうがねえよ、と逃げられないから、やるしかなかった。

週刊朝日 9月13日号