日本経済は「どの政党がやってもダメ」藤巻健史氏が指摘 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本経済は「どの政党がやってもダメ」藤巻健史氏が指摘

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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財務省庁舎も1943年に建てられ、震度6強で倒壊の恐れがあるというが…… (c)朝日新聞社 

財務省庁舎も1943年に建てられ、震度6強で倒壊の恐れがあるというが…… (c)朝日新聞社 

 自民党の圧勝で終わった今回の衆院選。「安倍総裁が大胆な財政出動と大幅量的緩和を打ち出したことが勝因につながった」と分析するメディアがあったことを受けて、投資助言会社「フジマキ・ジャパン」の代表・藤巻健史氏はこう指摘する。

*  *  *
 安倍自民党でも日本経済はよくならないと思う。安倍首相だからではなく、誰がやっても、どの政党がやっても残念ながらもうダメだと思うのだ。財政赤字があまりにも巨大化してしまったからだ。

 安倍政権では耐震性強化等の財政出動が一つの目玉だが、これには財源の問題がある。借金とは、借りるほうが「借りる」と言っても、貸すほうにお金がなくなればできない。大型財政出動は、財源を確保できないばかりではなく、長期金利上昇の引き金になってしまう可能性もある。ここまで大きい借金下での大型財政出動には、さすがにマーケットも黙っていないと思うからだ。こうなると金利支払い急増で政府は財政破綻に追い込まれてしまう。

 もう一つの柱、さらなる量的緩和にも「ハイパーインフレへまっしぐら」という極めて大きなリスクがある。インフレとはお金の価値が低くなることだから、円は暴落である。「ハイパーインフレ近し」と知れば、国民は円預金を引き下ろして競って外貨を買う。その結果、民間金融機関は、明日の国債入札に参加する円資金に困る。こうなっても財政破綻が起こるのだ。

 いまさら、経済政策として「TPPに参加する」とか「研究開発費を増やす」とか言い出さないでいただきたい。経済学の教科書によれば、景気対策とは「財政出動をする」「金利を下げる」「自国通貨安政策を取る」の三つしかない。会社の経営じゃあるまいし、個別問題をほじくったところで、ここまで低迷してしまった経済は立て直し不可能である。

 唯一発動可能だった為替政策も、いまでは「時すでに遅し」だ。ハイパーインフレを国民が予知したときと同様、民間金融機関の国債購入資金の不足を誘発するからだ。

週刊朝日 2013年1月4・11日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。2013年7月の参院選で初当選。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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