江守徹氏、自分は母親が嫌いなのかと悩んだ少年時代 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

江守徹氏、自分は母親が嫌いなのかと悩んだ少年時代

このエントリーをはてなブックマークに追加
取材、文・谷本 束週刊朝日#出産と子育て

 俳優の江守徹さんは、父が生まれる前に戦死し、生まれたときから母子家庭。気性の激しい母からは愛情だけでなく怒りも「集中放火」されることがあったといい、「普通に甘えるのがあこがれだったかもしれない」という。

*  *  *
 おふくろは映画だけでなく絵や文学、クラシック音楽のこともよく知っていて、教えられることが多かったけど、気性が激しくてね。立て板に水でしゃべって、しゃべって。会社で上司とよくケンカしてました。うまくいかないんだね。そのたびに勤めをやめて転職した。それが僕に向けられるとちょっと……。怒られるときはすごいんですよ。

 たとえば僕が遊びに行ってなかなか帰ってこなかったら、ものすごく怒った。あんまり怒るんで、通りがかった人が「何をしてるんだ」って注意したら、逆に「何言ってんだ、私の子なんだから余計なこと言うな」って怒り返したって、そんな具合です。

 話し相手は僕しかいないから、会社であった嫌なことも僕に話すんですが、「大変だったね」とか何か反応しないと、「あんたにはお母さんの苦労がわからないの!」ってまた怒られる。

 一人っ子だから、愛情も怒りも集中砲火なんです。ケンカしても、だいたい言い負かされちゃう。とにかく弁が立つの。しゃべり始めると、その声を聞くのが嫌だった。自分は母親が嫌いなのか、そんな子供が世の中にいるのかって、中学のころまで悩みました。

週刊朝日 2012年10月26日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい