韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』に主演したソン・ジュンギ(GettyImages)
韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』に主演したソン・ジュンギ(GettyImages)

 新型コロナウイルスの感染防止対策で「ステイホーム」の生活様式が定着する中、韓国ドラマ、映画が大ブームになっている。

【写真】巣ごもり特需で韓流ブームの火付け役はこの2人

 映画「パラサイト 半地下の家族」が米アカデミー賞で最高の栄誉である「作品賞」など計4賞を受賞して日本でも高く評価されると、米動画配信大手ネットフリックスを通じて配信されたテレビドラマ「愛の不時着」、「梨泰院クラス」も社会現象になるほどの人気だ。40代の男性もコロナ禍の巣ごもり生活で「韓国ドラマ」にハマった視聴者だ。

「これまでは韓国ドラマに全然興味がなかったんです。むしろ日本製品の不買運動とかで、韓国に対して良いイメージがなかった。でも妻と愛の不時着を見たらハマってしまって。想像できないストーリー、俳優の演技力、スケールの大きさで、大げさでなく生きているうちにこの作品に出会えてよかったと思いました。その後も梨泰院クラス、スタートアップ、バガボンドなどを見て、今は『ヴィンチェンツォ』を見ています。韓国ドラマが夜の楽しみとして我が家で定着しましたね」

 Netflixで放映中の『ヴィンチェンツォ』はソン・ジュンギがイタリアン・マフィア役で主演し、悪を悪で処断するというドラマ。共演の2PMのテギョンも熱演し、韓国でも大ヒットした。

韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』で熱演した2PMのテギョン(GettyImages)
韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』で熱演した2PMのテギョン(GettyImages)

 かつても韓国のエンタメがブームになった時期があったが、今回大きく違うのは老若男女幅広い年齢層を巻き込んでいることだ。日本で初めて本格的な韓流ブームが訪れたのは03~04年に放送されたドラマ「冬のソナタ」がきっかけだった。この時はヨン様の愛称で知られるぺ・ヨンジュンが中高年層の女性に絶大な人気を誇った。

 第2次ブームは今から10年前。少女時代、KARA、BIGBANG、2PMなど韓国の人気アイドルグループが次々と日本で活動するようになり、若者を中心に支持を集める。そして、第3次ブームと呼ばれるのが16、17年ごろ。世界的人気を誇るBTSやTWICEなどK―POPアーティストが若者世代の心をつかんだ。

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韓流ブームと嫌韓のはざま