ミャンマーの鉄道に「回送」「優先席」の文字が!? 第二の“人生”を歩む日本の中古車両 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミャンマーの鉄道に「回送」「優先席」の文字が!? 第二の“人生”を歩む日本の中古車両

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米屋こうじdot.#アサヒカメラ
駅を出て行く列車は元JR東日本の車両。日本時代には只見線でも使用されていた。豪雪の地から南国へ渡りヤンゴン環状線で活躍中だ。都市の環状線といっても緑が多くローカルチックな雰囲気の路線である(写真/米屋こうじ)

駅を出て行く列車は元JR東日本の車両。日本時代には只見線でも使用されていた。豪雪の地から南国へ渡りヤンゴン環状線で活躍中だ。都市の環状線といっても緑が多くローカルチックな雰囲気の路線である(写真/米屋こうじ)

 インドシナ半島の西部に位置するミャンマーには6千キロを超える鉄道が敷かれている。近年、日本の中古車両が多数売却され海を越えている。写真家・米屋こうじさんがその活躍する姿に会いに行った。

【「平成元年」と刻まれたJR東海の車両も!? ミャンマーを走る鉄道風景写真はこちら】

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 南国の青空のもと、2両編成のディーゼルカーがのんびりと姿を現した。ホワイトを基調に、ライトグリーンの帯を巻いたカラーリングはJR北海道の塗装だ。田んぼのあぜ道でカメラを構えると、札沼線(さっしょうせん)の沿線にでもいるかのような不思議な感じがした。

 東京から南西へ約4500キロ以上も離れたミャンマーの各地で、日本から売却された多くの中古車両が活躍している。近年ではその姿を求めて、この国を訪れる鉄道ファンも増えているという。南国の風を受けて走る日本生まれの車両たち。異国の地で第二の人生を歩む彼らに出合うと感慨もひとしおだ。

 長く軍事政権下にあり、鉄道の撮影は表面上禁止されていたが、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟が政権を取って以降、一部の地域を除けば情勢も安定し、特に近年は撮影中に注意を受けることも少なくなった。

 さらに、2018年10月からは、30日以内の観光旅行であればビザが免除となり、鉄道写真愛好者にとっても、ミャンマーはより訪ねやすく、魅力的な国になっている。

 右肩上がりの経済発展が進むなか、設備近代化の動きも見られるミャンマーの鉄道を旅した。

JR東海の太多線で使用された車両。ライトの下のRBEの表記は「RailBusEngine」の略称で日本製のディーゼルカーに用いられている。ズームレンズをワイドにして製造プレートに寄って撮影。製造から30年近く経ていることがわかる(写真/米屋こうじ)

JR東海の太多線で使用された車両。ライトの下のRBEの表記は「RailBusEngine」の略称で日本製のディーゼルカーに用いられている。ズームレンズをワイドにして製造プレートに寄って撮影。製造から30年近く経ていることがわかる(写真/米屋こうじ)

■ヤンゴン環状線。日本円約15円で一周

 ミャンマー最大都市のヤンゴン。日本との間に直行便が毎日発着するミャンマーの玄関口である。人口500万人以上とも言われるこの都市に、グルッと一周する環状線がある。「ヤンゴン環状線」だ。

 都市の環状線といえば、山手線や大阪環状線のように、数分おきに忙しく運行する様子を思い浮かべるが、ヤンゴン環状線の場合はのんびりムードが漂っている。複線非電化の線路にディーゼルカーやディーゼル機関車に牽引された客車列車が行き交う。一周45.9キロの道のりを38駅に停車しながら3時間ほどで走っている(山手線は34.5キロ、29駅を約1時間で一周)。

 そんなヤンゴン環状線に日本からの中古車両が多数投入され活躍する。車両はJR東日本、JR東海のローカル線で使用されたディーゼルカー。多くは日本時代の塗装のままだ。日本から遠く離れた異国の地を走るJR車両と聞くだけで、会いに行き撮影したくなる。


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