■「人づくり・組織づくり」の次世代リーダーを育成

 立教大学大学院経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コースは、「人づくり・組織づくりのプロフェッショナル」をめざす社会人のために2020年に開設された。その前年に実施した志願者対象の説明会には入学定員10人に対して500人ほどが集まったという。その人気の理由を、経営学研究科委員長の山口和範教授はこう分析する。

「企業や組織の人事部門で、今のままでいいのかと疑問を持つ人が多いと思います。このリーダーシップ開発コースは、組織で働く人がそれぞれにリーダーシップを発揮するしくみを2年間で設計できるようになることをめざします。異なる組織で働いている学生同士が話し合い、情報交換もできます。人事に関わる人たちはこういう場を求めていたのではないでしょうか」

 このコースでは人事部門だけでなく、人材関連のコンサルタント、経営者、公務員、看護師や医師、弁護士などさまざまな職に就いている人たちが学ぶ。年齢層は20代から50代までで、30~40代が多い。管理職は組織運営に悩み、経営者も人や組織についての知見が必要になる。ほかにも人や組織をめぐるさまざまな場面で、リーダーシップ開発のスキルが活用できる。

 社会人が対象のプログラムであることを考慮して授業はオンライン形式が基本で、金曜日の夜と土曜日に集中している。東京・池袋キャンパスでスクーリングを行うときにはほとんどの学生が顔をそろえるが、すべてオンラインで受講しても修士の学位が取れる。

「講義の途中でグループに分かれて、今学んだことを現場でどう生かすかなどをディスカッションしますが、オンラインでも活発に意見交換をします。次の授業までに課題が出されるので、それについてのグループワークがいろいろな時間帯にリモートで行われています」

■「プロジェクト研究」では改善計画を企業に提案する

 リーダーシップ開発コースのカリキュラムでユニークなのが、企業などのクライアントに組織の課題解決を提案する「プロジェクト研究」だ。

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グループごとにクライアントに対して改善計画を提案